心霊赤っ恥体験/血の相性が
【心霊赤っ恥体験】
「これは良くない霊です」
寄せられた心霊写真に訳知り顔で物申すMC。僕はため息を一つ。彼はただの通りすがりだというのに。
「此方は先祖の警告で」
いや、写りたかっただけの興味本位。
MCが知ったかぶりをして何かを言うたびに、背後の守護霊が両手で顔を覆って俯くのが見えた。お察しします。
【血の相性が】
吸血鬼が美女の血を吸った後、体の不調を訴えて病院に担ぎ込まれたという。美女は心配そうに吸血鬼に寄り添っていて、人外専門医は大変困った。
「あの、お二人の関係は?」
「夫婦です」
「奥様のご種族は?」
「妖狐ですが」
「何年ほど吸血を?」
「うん十年になります」
……エキノコックスです。
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