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茹だる/擬人法/名物、小人かき氷


【茹だる】
 汗をびっしょりとかいている友人と違い、私は滲む程度しか汗をかかない。羨ましいと言われるが、とんでもない。熱がこもってしまう体質なのだ。
「私の体で塩が作れそう」
 友人が言うので、私は返した。
「じゃあ私の体温でゆで卵を作るから、味付けはよろしくね」
 不味そうね。笑い合って、また明日。

【擬人法】
 業務用の冷蔵庫が開くと、内と外の温度差に陽炎が揺れた。キンキンに凍った食材たちが調理されるのを待っている。
 私は凍ったオレンジを取り出して二つに切り分けた。スプーンをさしてシャーベットとして食べる為だ。
 せめてスムージーに!
 オレンジがそう言った気がして、仕方なくミキサーを探した。

【名物、小人かき氷】
 雪が降っている。結晶の形までよく見えるような、ギラギラとした雪が。
 どうやら積もっているらしく、歩き始めるとモスモスという雪特有の音がした。
 私の使命はこの降り続ける大雪でできた山に、青い川を流すことだ。登り続けて頂上についたのを確認すると、私は背中に背負ったシロップを振り撒いた。




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