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息が詰まって

 あなたが好きなの、というストレートな一撃に、僕は沈んだ。君は似合わない真っ赤な口紅を塗っていて、いつものくすんだピンク色の方が似合うな、なんて思ってしまった。
 口紅じゃなくてルージュというらしい。くすんだピンク色じゃなくてもっと可愛い名前があるらしい。
「今日は張り切ってきたの」
 そういう君に溺れている僕は、豆知識を右から左に聞き流し、ただ君の唇を見つめていた。