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異性の双子の俗説と私

 あなたに手を引かれて血の海を渡る。
 何千、何万と流れた赤は、私たちの膝を濡らして揺れている。
 遅れないようにね、とまっすぐ進んでいくあなたに、私は必死で追いつこうとした。
 門番がいる。
 大きく黒い門がそびえ立ち、番人が二人、両脇に立っていた。
「ああ、心中なさったのですね」
 右の門番の言葉にあなたは頷き、あなたを見ていた左の門番がぱらりと紙をめくって事務的に告げる。
「心中は罰則として来世で結ばれることのないよう処理されます」
 あなたと手をつないだまま、私が頷いた。
「それでは記憶の初期化を行います。こちらへどうぞ」
 門が開く。
 光が流れ込んでくる。
 さようなら、こんにちは、私のあなた。