唐揚げはみんなの憧れらしい
「僕はだめな子です」
もやしが泣いている。
どうして、だめな子だなんて言うんだろう。栄養満点、おいしい野菜じゃないか。
そう言うと、もやしは体を震わせた。
「カロリーが、ないのです。僕を食べても、生きていかれないのです」
同じ理由できゅうりとセロリーが落ち込んでいた。
どうしたものか。
考え込む私の前に白い何かが現れた。それは胸を張って、もやし、きゅうり、セロリーに語りかける。
「マヨネーズが来たからにはもう安心です。みんなをマヨネーズで和えて、カロリーがあるサラダにしてみせましょう」
野菜たちは、わっ、と盛り上がる。
これでお食事のメインになれる、と喜んでいた。
サラダになったみんなが、ドキドキわくわくといった表情で、私を見る。食べる係は私らしい。
私はサラダをひと口食べて、感想を言った。
「栄養満点で、まったりした味の中にあっさりした味。とてもおいしいよ」
サラダは大盛り上がり。
マヨネーズは誇らしげ。
そうか、カロリーって大切なんだなあ。