えっへんトマト
トマトがアフロのかつらをかふっていた。よく熟れたトマトがもふもふのアフロをかぶっているのは、不思議な光景だ。
「こんにちは、物知りトマトです」
物知りはアフロになるの?
「博士はアフロのイメージなので」
ははあ、なるほど。
物知りトマトは、えへん、と咳払いをひとつすると、口を開いた。
「完熟トマトにはシミをつくる酵素をブロックする働きがあるので、お肌によいです」
トマトの豆知識を教えてくれたトマト博士は、誇らしそうに胸を張る。
「だから」
えっへん、とトマトは誇らしそうだ。
「今日はトマトスープを食べましょう」
あったかい、栄養満点スープをね。