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電気大根の夢

 大根ロボットを開発した。大根の姿をしていて、畑に埋まっている大根たちの話し相手になってくれる、優れものだ。
「ふむふむ、ふろふき大根になるのが夢なんですね、よい夢です! 応援します!」
 大根ロボットは元気よく大根たちを応援していたが、突然、黙り込んだ。
「……僕の、夢ですか……?」
 大根ロボットは、ロボットだ。
「どんなお料理になりたいか……ですか?」
 ロボットだから料理にはなれない。
「そうですねえ」
 なので、謝りたくなってしまった。
 お野菜の大根にしてあげられなくて、ごめんね、と。傲慢な謝罪なのかもしれない。大根ロボットは大根ロボットとして生まれたのだから。
「僕は大根初のコックさんになりたいです」
 大根ロボットは明るい声で言った。
 開発者の私は耳を疑った。大根ロボットは、自分の生まれを悲しんでいなかったのだ。
「大根たちの意見を聞いて、おいしい大根料理を作る、コックさん大根になるのです」
 なれるよ……きっとなれる。