「ねぇ、ケーキ食べたい」
「へー」
「買ってきて?」
「んな上目使いで言われても行かねぇよ!」
「ケーキ食べないと死んじゃう」
「どういう細胞してんの」
「ケーキ食べないとお前襲っちゃうかも」
「返り討ちにしてやんよ」
「ケーキ食べないと…」
「だあああ!!うっさい!」



 状況を説明しよう。私は3年B組の生徒で、目の前のだだっ子丸井の友達だ。もう友達なんかやめてやりたいけど、一応友達だ。
 今日は仁王が休みなのでこの暴走した丸井を止める人がいないのだ。仁王カモーン!…あ、仁王いてもあんまり止めてくれないわ。十回に一回止めてくれるだけ。


 こっちは友達から借りたマンガを読んでるというのに、丸井がぎゃーぎゃーうるさいもんだからさっきから同じページをひたすらに読んでいる。私の好きな敵キャラが死にかけてるページである。早く先が読みたい。けど読めない。丸井のせいで。
 まぁいいや、丸井もいなくなったことだし読もう。



「ねぇねぇ」
「っわ!まだいたんかい!」
「ねーねー」
「なに?」
「今日1月8日じゃん?クリスマスから15日後じゃん?」
「……」
「ケーキ買ってきて!」
「何でだよ!!関係ないじゃん無理矢理すぎるだろ!」
「ケーキケーキケーキケーキケーキ」
「うるさいってば」
「あ、まじで買ってきてくれんの?今日はチョコケーキがいい!」
「言ってないから!!え、え、丸井耳悪くなった?うっわ、可哀想」
「え、ホールで買ってきてくれんの!?さっすが太っ腹〜」
「だから言ってねぇよ!!」
「じゃ、俺ん家集合な。ケーキとクッキー持ってきて」
「なんか増えてるし!」
「俺は空腹を用意しとくから」
「お前もなんか用意しろぉお!!」



 もうこうなった丸井は止められないので、何回目か分からない丸井のためのケーキを買いに行くことになった。だから友達なんか止めたいんだよ。
 とか言いつつ、何回も聞いちゃうのは丸井がしつこいからもあるけど、きっと私はこの笑顔に弱いんだなって思った。
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