冬と言えば乾燥する季節。それすなわち女子の点滴!おっと間違えた、天敵!

 昨日そんなようなことを友達に言われたなと思っていたら、その友達に再び指をさされて言われた。「唇、血!」くちびるち?言われるままに自分の唇をなぞってみたら、指に赤い血らしきものがついていて、鏡を借りて見てみたらたしかに血が出ていた。痛みはなかったんだけどな。


「リップは!?リップつけなさい!」
「あー、家だ」
「は?あんたそれでも女子か!」
「大丈夫大丈夫、なめとけば治るから」


 ぎゃーぎゃーいう友達を軽く抑えつつ唇をぺろりとなめる。そのとき、あまり話したことがないはずの白石くん、彼の手が私の視界にはいってきた。その手には新品の薬用リップクリームが握られている。


「これ使いや」
「え…、くれるの?」
「女の子は常備しとかなアカンで」
「あ、ありがとう…」


 なんかよく分からないが、私は白石くんからリップクリームをもらった。「保健委員として当然や!」なんて笑顔で言いながら去っていった白石くんに、「さっとリップを差し出せる人ってかっこいいよね…」なんて頬を染めている友人。

 頭にハテナマークを浮かべながらも、とりあえずはもらったリップクリームをぬろうと思う。
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