聖ルドルフのマネージャーはとても有能だ、と他校でも評判らしい。ドリンクやスコアの記録だけでなく、選手の体調管理やテニスの指導、さらには他校の分析までをもこなすという。そのマネージャーこそが観月はじめ。そして彼の補佐役(主に雑用)がこの私なのである。本当に名誉な職だと



「思わねぇよ!!」



 私はたった今観月先輩(同学年なのに何故か先輩呼びを強制させられている)の命で買ってきた絆創膏を床に投げつけた。部長を巻き込んだ会議、すなわち私の愚痴を聞かせる会である。



「なんですかそんな大声を出して。はしたない」
「いや、よく考えてみて?うちにはこんな有能なマネージャー観月さまがいらっしゃるんだよ?私いらなくない?」
「いりますよ。私の手を汚させるつもりですか?」
「雑用係ってか!いや、本当にさ、私思うんだ…。みんな真剣にやってるのに、私だけこんな中途半端な気持ちで部活をするのは申し訳ないって。だから辞め」
「バカヤロウ!お前はヤる時はヤるやつじゃねぇか!」
「いや、変換違うから部長がバカヤロウだからこのバカ澤」
「そ、そうですよ水瀬さん!水瀬さんがいないとみんなが困るっていうか、一生懸命やってくれるし、なんていうかっ!」
「ゆ、裕太くん…!」
「だから辞めないで下さいっ!」
「うん!わかった私辞めないよ!裕太くんのために頑張る。何なら裕太くん専用マネージャ、あいたっ!」
「バカなこと言ってないで、さぁみなさんも練習に戻りなさい!」
「観月のチョップ地味に痛いよな…、がんばれ水瀬」
「あなたもまだ仕事が残ってますよ!ぐだぐだしてないで早く立ち上がる!」
「…何」
「紅茶を買ってきなさい」
「なんでだよ!それ観月先輩の私情じゃんマネージャー業じゃないじゃん!」
「ほら、さっさと行きなさい!」
「くっそー、覚えてろよ観月の野郎…」
「何か言いました?」
「イイエ」



 こうして今日も観月先輩のパシリに使われるのでした。
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