事態の収拾がつかないので、誰かに相談してみようと思う。白石くんをよく知っていて、私が話したことのある人なんて忍足謙也しかいない。

 白石くんが席を立ったのを見計らって、私はマッハで忍足くんに近づいた。鳩が豆をくらったような顔をした忍足くん。


「ど、どしたん?」
「忍足くんって白石くんと仲いいよね!?」
「お、おん」
「竹馬の友だよね!?」
「え、たぶん」


 ここで私は気がつく。この前、テニス部部室の前を通ったとき、バンダナの男がめがねの男を抱きしめていた。友情とかそういうのじゃなくて、あれはきっと愛とかいう類だ。
 もしかしたらテニス部員は、白石くんの影響で頭がおかしくなっているのかもしれない。もしや忍足くんも…!?どうしよう泣きたい。味方がいない。



「とりあえず、何があったか聞かせてや?ほら、ここ座り」



 とても良い人でした。白石くんの友達とは思えません。

 
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