「めっちゃ好きや」
怪訝な顔をした白石くんに告白されたのは、つい3秒くらい前のこと。階段を上ろうとしたところを呼び止められて、なんて、少しロマンティックに感じられるけど、こいつは今、眉間にしわを寄せている。眉間にしわを寄せている。大事なことだから、もう一回くらい言いたい。
好きの裏返しなんだろうか、それとも罰ゲームか。なにがなにやら分からない私は、本能的にこう答えた。
「いいよ!」
…いいよって何だろう。私の本能って何だろう。
誰にも告白されたことのない私にとって、どんな相手だろうと好きと言ってくれたことが嬉しくて。白石くんの眉間のしわがもう一つ増えた。
「いや、俺付き合うてとは言うてへんけど」
「えっ」
「えっ」
意味が分からない。
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