今日は珍しく男女合同の体育の授業。ジャージに着替えて、冬のさっむいだろう体育館に来てみれば、案の定ストーブも何もなく寒かった。とりあえず寒い。さっむい。

 あ、と思い、奴らに視線を向けてみれば、やっぱりこの寒さは堪えるらしく(外の方が温かいくらいだ)。

 慈郎と水瀬は抱き合っていた。



「うおおおおおお」
「ささささささ」
「いやいや、待て待て!お前ら何してんだよ!」
「「あ、宍戸」」
「はい宍戸です、じゃねーよ!」
「…イエロー、今のブルーのノリはダメだったね」
「うんうん!」
「る、るせぇ!」


 状況を説明しよう。もうすぐ授業が始まろうとする中、体育館には続々と生徒が集まってきている。慈郎と水瀬はと言うと、体育をする気が限りなく0に近い格好でぎゅうぎゅうと抱き合っていた。その格好というのはまぁアレだ、手袋マフラー帽子耳当ては当たり前のように装備してある。



「だからお前らは何してんだよ!」
「え、宍戸知らないの?」
「寒いときは人肌であっため合うのが一番温かいんだC!」


 いやいや、だからって人前で男女が抱き合ってたらいかがわしい噂のひとつやふたつ……って、誰も見てねぇ!!チラチラ見てるとしても、おばちゃん的目線「微笑ましいねぇ」か俺に対する同情だけである。いかがわしい噂なんかたつ雰囲気じゃないということは、十分に分かった。


「「……!」」
「なんだよその目は」
「ももももしかして宍戸も仲間に入りたくて…!?」
「ちっげぇよ」
「でも安心して!あなたはぽかぽかレンジャーのブルーを担う重要な役目!」
「安心できないのは何故だ」
「我ら一心同体!そう、」
「「ぽかぽかレンジャー!」」


 もうどうにでもなれ、そう思いため息をひとつついたとき、前と後ろに衝撃を感じた。ちょ、苦しいんだけど何だこれ!前に水瀬、後ろに慈郎で、完璧に挟まれている。


「ぎゅーっ」
「宍戸サンドだよ!」
「宍戸サンド宍戸サンド!」
「どう?温かい?」



 俺は二人のキラキラした目を前にしてあれこれ言うことなどできず、何だかあったかい気持ちになって、頬がゆるむのが自分でも分かった。


「内臓が!出る!」
「きゃー!」
「内臓が出るっつってんだろ離せ!」
「お前ら、授業始まってるぞ…」


――――
内臓が出そうになったのは私です。

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