３時間目の数学の時間。多くの生徒が黒板の数式やら何やらを写している中、私もまたペンをスラスラと走らせていた。それはもうスラスラと。英語の教科書を写すよりもスラスラとである。

　気づけば授業は終わっていた。



「お前、授業中ずっとこっちを見てニヤニヤしていたな」
「ニマニマの方が正しいのではないですか。何かあったんですか？」


　柳生の話によると、授業中幾度となく私が後ろを振り返って真田を見ているものだから、本人はおろかクラスメイトまで動揺していたという。

　まったく失礼な奴らだ。真田を見てニマニマだと？えぇニマニマしてましたよそれが何か！私は二人の前にバンッと紙をつき出した。


「これ！」
「は？」
「これ書いてたの！」
「はて、何ですこれは？」
「真田のこれから（決定版）を書いてました」


　ふふふ、見て驚くがいい！このパーフェクトな真田の未来を！

「これは…！！」
「お前…っ、」




真田のこれから（決定版）

2011年　あらはなりたる
2012年　水瀬と結婚(6月)
　　　　同妻と離婚(9月)
　　　　爆発(10月)
2013年　韓国と北朝鮮の戦争へ行く
　　　　トマトビーム(12月)
2014年　終戦、総書記になる(4月)
2015年　すべる(3月)
　　　　おちる(4月)
　　　　掘る(5月)
2016年　幸村の結婚式に出席、お祝いにバレキスを歌う(6月)
2017年　いなくなる
2018年　現れる
2019年　柳とオランダに移住する(7月)
　　　　柳がプロポーズする(8月)
　　　　断る(8月)
2020年　小指が折れる、死ぬ(4月)
2021年　骨が盗まれる(10月)
〜省略〜
3001年　復活する(1月)
3013年　気づけば二次元にいた(2月)
3016年　小指をぶつける、死ぬ(12月)



「どうよ！」
「こんなものを一時間ずっと書いていたのか！しっかり勉強せんかー！」
「ツッコミどころが多すぎてどこからつっこんでいいのやら…」
「し、しかも！なぜ俺がお前と結婚せねばならぬのだっ！」
「あ、これ？真田の周りにいる女子が私しか思いつかなかった」
「キィィイエエエ！！」
「そんなことより、省略のところで何があったんですか？いきなり復活とは理解しかねます」
「私にも理解しかねます。これが真田の人生です」
「お前が勝手に作ったんだろう！」
「あ、本当はね、復活したあとクーデターを起こしたり、みそ汁の作り方を研究したりしたんだけどめんどくさいから割愛した」
「割愛するな！」
「柳生が土を食べて生きのびたりしたけど、気持ち悪いから割愛した」
「それは割愛してください」
「しかもこれだと俺の享年は1122歳になるではないか！」
「1022歳ですよ真田くん」
「…、人間がこれほど生きれるわけがないだろう！」
「え？…、え？」
「真顔で二度聞き直しましたね」
「真田、人間だったっけ…」
「キィイイエエ！！」



「あいつら何やってんの？」
「さぁ」


――――
とりあえずすみません。