「私、グー出そ」
「じゃあ俺もグー」
「プピーナ」
「ブン太がグーならパーにしよっかな」
「………」
「………」
「………」
「じゃーんけ「じゃんけんぽぃぃいい!!」



 心の駆け引きを伴うじゃんけんを制したのは、あろうことか丸井と仁王だった。グーの丸井と仁王に対して、チョキの私。言うまでもなく私の負けである。完全なる敗北だ。なんでかなぁあああ!?たしか昨日も一昨日も私が昼飯当番だった気がするんだけどなぁああ!?



「気のせいじゃ」
「気のせいじゃねぇよ、私の財布が薄っぺらくて寒い寒い言ってんだよ」
「だーから俺はグー出すって言ったろぃ」
「丸井はグーを出すと見せかけて私にパーを出させ、しかし丸井はチョキを出すかと思いきや私がそこまで読んでグーを出すのを想定してパーを出すのだと思いました」
「…アホじゃな」
「アホだな」
「数学15点の丸井くんには言われなくないなぁ!」
「ちょ、てめ!声でけぇよ!」
「まぁいいや、仁王は何」
「米粉パンと野菜ジュース」
「こいつこんなに健康的だったっけ」
「心入れかえたんでしょ。丸井は?」
「俺ね!メロンパンとクロワッサンとジャムパンと蒸しパンとプリン!!あ、グリーンアップルガムも追加でシクヨロ☆」
「シクヨロ☆、じゃねぇよ。お前も少しは仁王を見習え」
「いつか糖尿病で死んでも知らんぜよ。自分の身体くらい気遣いんしゃい」
「ついでに私の財布も気遣ってくれ」
「「えー」」
「はい、丸井くんのジャムパンはコッペパンに変更されましたー」
「はぁああ!?お前アホだろ絶対ぇアホだろ」
「はい、丸井くんのクロワッサンは夢物語と化しましたー」
「ごめぇええん!!俺が悪かったからジャムパンもクロワッサンも買ってきてぇえ」



ひるめしとうばん【昼飯当番】(名)
3年B組テニス部がジャンケンで決める購買に昼飯を買いにいくパシりのこと。(例)今日の昼飯当番は仁王だ。



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