下ネタ入ります。



 暑い暑い放課後の部活。俺、白石蔵ノ介はいつものように部長として練習に励んでいた。日差しが暑い、ドリンクはまだかいな。マネージャーがいるはずの木陰を見てみればその姿はなく、どこ行ったんやあいつと思っていたときだった。


「しーらーいーしー、ユウジ知らん?」
「金太郎はんがダブルスやりたい言うてな。アタシとユウくんで相手したろ思ったんやけど」
「おらへんのか、ユウジ」
「おらん」
「ったく、部室でサボってんのかもしれんな。俺見てくるわ」


 ちょうどタオル持ってこよ思ってたところやし。そう付け足して、練習の続きを小石川に頼んだ。


「!?」

 部室に着いたとき、何やらおかしな声が聞こえてきた。それはまぎれもなくココから聞こえてきて、まぎれもなくマネージャーとユウジの声やった。


「あ、あ…」
「…あ、あぁ」
「あ、あ…」
「あぁ、あ…」


 え、ちょ待て待て待て待て。え?え?何しとんこいつら。
 っていうか、アレやんな。この妙に色っぽい声はアレの最中やんな?アレはまぁ…アレなんやけど。柚もこんな声出すんや〜…ってちゃうちゃう!部活中やぞ今!こいつら部活サボって何やってんねん!


「…だから違うってばユウジ、」
「あ、あ…」
「私が教えてあげる」


 私が教えてあげる!?え、柚ってこういうキャラやったっけ!?いつもわいわい騒いでるアイツは幻やったんか!


「銀ーーー!!」

 気づけば俺は、銀を呼んでいた。「どないしたん?」と聞く銀に無言で部室をさす。暫く聞き入っていた銀は状況を判断すると、はぁっとため息をついた。


「これマネージャーやんな?」
「おん。これは、さすがになぁ。アカンよな…」
「えー何がアカンのー!?」
「って金ちゃん!?なんで金ちゃんがココにおんねん!」
「楽しそうやったからや!なぁなぁ、二人何してんの?」
「何っていうかナニ…」
「アカン白石、金太郎はんにはまだ早いわ…」
「早い言うても金ちゃん二人の喘ぎ声聞いてもうたんやで?」


「口はもっと開いて…」


 アッカーン!アカンアカンアカンアカン!すぐに銀が金ちゃんの耳をふさいだ。金ちゃんは何のことやらという顔をしている。
 金ちゃん聞いたらアカンで。ココには汚れた大人の世界しか広がってへんねや!

「アカーーン!!!」


 ドアを開ければ、二人は口と目を半開きにして鼻の下をのばしていた。









「…え、何白石」
「…いきなり何やねん!」
「…え、あ、二人は、何しとん?」
「見て分からんか。どっちがカオナシのマネ上手いか競争しとんじゃ!」
「ちっがう!私がユウジにカオナシ教えてんの」
「お、何しとっと?楽しそうばいね」
「おー!千歳、謙也ー!」
「ワイもやるで!『あ、あ…』」
「アッカーン!金ちゃんにはまだ早いで!」
「早い、って…え、」
「白石そんな目で見てたんか」
「キモ」
「俺だけやない銀もや!そもそも部室からあんな声したら誰でも怪しむやろが!なぁ銀」
「銀さんいないけど」
「あ、あいつ裏切りよったな…!」
「…そういうことかい。白石、ドンマイや」
「『あ、あ…』」
「ええ加減にしときぃや金ちゃん。毒手、イヤやろ?」
「ひっ!イヤやイヤや!ワイ、練習戻るから勘弁してぇな!」
「柚!アレやってほしいばい!」
「『ハクは?ハクはどうするの?』『私は湯婆婆と話をつけて弟子をやめる。平気さ、ほんとの名を取り戻したから』」
「っきゃゃぁああ!!ハク様かっこよかー!」
「また始まりよった…」


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