◎部室にて


「カンブリア紀オルドビス紀シルル紀デボン紀石炭紀ペルム紀っ!」
「何があった慈郎」
「地学の先生に、これ覚えなきゃ寝ちゃいけないって言われたらしいよ」
「らしいよ、ってお前も地学だろ」
「私覚えたもん」
「トリアス紀ジュラ紀白亜紀っ!!」
「ほんと、単純で可愛いなぁ慈郎ちやんは」
「柚、柚!覚えたかテストやって!」


 慈郎ちゃんがさっきまで見ていた教科書を手にとる。
 因みに宍戸は物理選択なのでとても暇そうであるマフラーがぬくい。


「はい、どうぞ」
「カンブリア紀オルドビス紀デボン紀シルル紀」
「デボン紀とシルル紀逆だよ」
「くっそー!全然覚えらんないC」
「もう一回覚え直さないとね。あ、宍戸」
「カンブリア紀オルドビス紀っ!」
「あ?悪りぃ、聞こえなかった」
「だから、」
「シルル紀デボン紀石炭紀ペルム紀っ!」
「何?」
「だーかーらー!」
「トリアス紀ジュラ紀白亜紀ーっ!!」
「「っせぇぇぇええ」」
「……う、」
「え、」
「な、泣くなよ慈郎」
「っごめんごめん!慈郎ちゃん本当ごめん!宍戸からも謝れやゴルァ」
バシッ
「ゴファッ!…わ、悪かったな」
「ううん、俺も悪かったC、大丈夫だよっ」
「じ、慈郎ちゃぁああん」
「…で、結局なんだったんだ?」
「あ、そうそう。そこの棚からホームパイとって」
「自分でとれよ!!」
「慈郎ちゃん、これあげるから許して……って、えええええええ!?」
「るせぇ」
「ちょ、宍戸てめぇこれ食ったろ!?」
「食ってねぇよ!」
「だっておかしい。なんで2個しかないの」
「数合わないのー?」
「うん。42個入りで、この前皆で食べたのは8個+私のつまみ食い4個で、30個はあるはずなのに!」
「つまみ食いすんなよ。それ部費で買ったやつだろ」
「ああああああもうやだー!私の知らないところでお菓子が消えていくぅぅ!」
「落ち着け、とりあえず落ち着け」
「これアレだよ、最近流行りの部室泥棒だよ」
「だったらなんでご丁寧に2個残すんだよ」
「一人でムシャムシャホームパイ30個食って楽しかったか犯人め!」
「想像したら笑えるな」
「笑えねぇよ!!ちょっと跡部に話つけてくる!生徒会で何とかしてもらわなきゃ!」
「ちょ、落ち着けって!慈郎もう寝たぞ」
「うおおおおお!ホームパイの仇ぃぃいい!!」


――――
ホームパイがなくなったのは我が部の部室です。
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