「今日いい天気だね〜」
「せやな」

 暑かった夏も過ぎ去り肌寒い日々が続いた中、今日は珍しく暖かい天気で、ぽかぽかということばがすごく当てはまる気持ちのいい日だった。
 今は私の部屋にいる。彼氏である白石と二人、床に寝転んでいた。


「どっか行こうよ、白石」
「えーしんどいやん」
「動け若者」
「お茶飲も。緑茶入れてや」
「じいさんか」
「自分かてこの前盆栽の雑誌読んでたやろ」
「なぜバレてる…!」
「久しぶりのオフやもん、休みたいわ」

 なんか、学校での白石と違いすぎて力抜けるなぁ。
 私はもうそれはすごい勢いで起き上がる。

「公園!公園行こ!」
「なんで」
「キャッチボールしたい!」

 寝転がる白石を引きずるように公園に向かう。グローブをはめて、準備完了!

「…いや、なんで?」
「白石男なんだから手加減してね」
「しゃーないなぁ。ほな、行くで」
「おー、コントロールいいじゃん」
「部長なめんな」
「はいじゃあいくよー!」
「え。ちょ、待てや!何やその本格的なフォーム!」
「そーれっ」


 バスッ、いやバンッといった方が正しいだろうか。呆然とする白石は、ボールを受け止めたものの耐えきれずにポトリと落としていた。

「も、もしかして経験者?」
「久しぶりだから腕なまっちゃったなぁ。ほらいくよー!」
「ちょ、俺ムリやて」
「そーれっ」


 日が暮れるまで続いたキャッチボール。すごく楽しかったなぁ、今日。

「白石、」
「おん?」
「ありがと。あとごめん」
「今更やっちゅーねん」

 グローブをはめてた左手が赤くなってる。テニスに支障が出たらどうしよう。本当今更ながら、不安になってきた。

「…ま、お前が楽しかったならそれでええわ」

 にっこり笑った私の彼氏は、やっぱり誰よりもかっこよかった。

 (やっぱり右手痛い…)


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