遊園地へGO の裏話


◎ジェットコースターに並んでる幸村真田柳丸井ジャッカル仁王赤也。

「ブン太は何がしたいのかな。わざわざこの俺が、貴重な休みの時間をさいて付き合ってあげてるというのに」
「う…、」
「部長怖いのー」
「水瀬は絶叫系がダメだったみたいだな」
「そのくらい調べておきなよ、ブン太。手伝ってくれ!って頭下げるから何かと思ったら、遊園地で告白か」
「だって俺、このジェットコースター乗りたかったんだもん…」
「当時の目的忘れてますよー」
「幸村部長がキレてるぜよー」
「っ、ごめん!このあと頑張るから!」
「何を?」
「笑顔黒っ!」
「柳生から入った情報だが、このあと抹茶ソフトを食べる予定らしい」
「柳生も柳生で協力せんかー。二人っきりはいかんぜよ」
「まぁ苦手なんだから仕方ねぇだろ」
「よし、ブン太、さりげなくその抹茶ソフトを食べろ」
「なっ、そそそそそれって……!」
「かかかか間接ちゅーではないか!」
「真田は黙ってて」
「ごめんなさい」
「簡単だよ、『それ一口頂戴よ。…っあ、ごめん!か、間接ちゅー、嫌だった?』って言えばいいんだよ」
「天使のような笑顔と恥じらうような仕草。完璧だな、データ上落ちない女はいないだろう」
「『そそそそそれ、ままままガチィ!』……舌かんだ」
「ダメだこのヘタレ先輩…」
「な!じゃあ赤也だったらどうすんだよ!」
「『先輩、ソフトクリームついてますよ。あ、そこじゃなくて。ほら、ここ(ぺろりとなめる)』…そんで耳元で、『ごちそうさま、先輩』」
「えっろ!!」
「確かに『先輩』というワードはいいかもしれないな」
「なぁ柳、さっきから思ってたんだけど、どこから入ってくんだその情報」
「貞治だ」
「えええええ」
「仁王先輩だったらどうすんすか」
「簡単ぜよ。柚のことだから『一口いる?』って聞いてくるはずじゃき。そしたら『コレより、こっちのが食べたいのぅ(にやり)』って言って唇をなぞればいいんじゃ」
「えっろ!!お前らそんなんばっかか!」
「さっきから真田副部長が固まってんすけど」
「真田ならどうするの?」
「おおおお俺か!…いかんいかん!そんなフシダラなことはいかんぞ!」
「…もういいや」
「とりあえず鼻血ふいとけな、真田」
「ジャッカルは?」
「俺?俺は…『あ、アイスずりぃ!』って言って、『一口いる?』って言われた横からパクッと一口…」
「……」
「……」
「普通だな」
「普通じゃ」
「気持ち悪いくらいに普通だね」
「ふ、普通で悪いか!」
「まぁいいや、とりあえずブン太はそれ実行しないと身の保証はできないから」
「怖!」
「……」
「そのあとはオバケ屋敷にでも誘ってみたらどうだ?」
「いいかもしれんの」
「なっ!フシダラだぞフシダラ!そんな暗闇で」
「真田は黙ってて」
「ごめんなさい」
「いいっすね!俺も行きたいっす」
「ただ、水瀬のことだからホラー系も無理ということもあるな」
「大丈夫っすよー!俺がなんとかしますから!」
「その自信はどこからくんだよ」
「赤也はただオバケ屋敷に行きたいだけだな」
ピロロロロ
「っわ!アイツから電話きたどうしようこれ!」



◎オバケ屋敷のあと、水瀬と柳生は気絶中

「……」
「で、ブン太は一体何がしたいのかな?」
「幸村、ちょっと抑えようぜ…。ブン太の汗が尋常じゃない」
「普通にオバケ屋敷楽しんでどうするんだよ」
「……う、」
「帰ったらどうなるか分かってるよね?五感奪うだけじゃ足りないから。ジャッカルも」
「俺も!?」
「確かに、ジャッカルに彼女がひっついていたせいというのもあるな」
「いやいやいや!それは皆が楽しみすぎてたからだろ!俺だって離そうと思ったけど、そしたら顔面にストレートがきたんだよ」
「正論じゃなー」
「オバケ屋敷楽しかったっすねー!」
「とりあえず、このあと観覧車に乗るから。仁王は柳生に変わって二人をゴンドラに押し込めて」
「プリッ」
「下から見てるからね、ブン太」
「が、がんばる…!」


――――
こんな裏話があるといい。真田ごめん。


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