◎みんなでインスタント味噌汁を作ることになりました。


「みんなお椀と箸は持ってきた?」
「おぉ」
「じゃあまずはお椀に具とみそを入れます」
「フン、ダシはどうした?」
「ふんどし?」
「あぁ、みその中に入ってるんじゃない?」
「見事にスルーされたな侑士」
「あ、ちょ日吉ぃぃぃい!!」
「な、何ですか」
「おま、なんでみそから入れんの!?って宍戸とがっくん以外みんなも!?」
「お前ら激ダサだな」
「そんなのどっちでもいいじゃないですか」
「よくないんだよ!みそがお椀の底ににつかないように、具の上にみそを出すんだよ」
「みそー!」
「ったく、庶民の考えることは理解しかねるぜ」
「お前全国の庶民に謝れ。…って、え!?みんな何してんの!?」
「「インスタントみそ汁作ってる」」
「ちっげえよ!何このみそ!最後まで絞り出せよもったいない!」
「せやけど、これ上手く出せないっちゅーか」
「侑士、そういうときは箸ではさむようにして出すんだぜ」
「なんか貧乏くせぇな」
「誰か跡部に熱湯かけたげてー」
「で、次にお湯を入れるんだぜ。熱湯カモーン」
「…ウス」
「樺ちゃんありがとー!」
「170mlやったっけ?」
「でもそれでやるとちょっと濃いんだよね。だから多めに入れちゃって大丈夫」
「あちっ!」
「熱湯に触るバカがどこにいんの」
「はい跡部、バンソーコー」
「悪いな向日」
「みんなできたー?」
「あちっ!」
「じ、慈郎ちゃん大丈夫!?冷やさないと…!」
「へへっ、柚に教えてもらったみそ汁、早く飲みたかったんだー!でも失敗しちった!」
「か、かわい!!慈郎ちゃん可愛い大好きだ!」
「…おい、俺の時と反応が違いまくるんだが」
「そこは“熱湯を入れたてのみそ汁に口をつけるバカがどこにいる”だろ」
「おいこら岳人、絆創膏は!?」
「あ、これ」
「ごめんね、柚。ちょっとこぼしちゃった」
「慈郎ちゃん…!君はなんて健気なの!?大丈夫、大丈夫だよ!」
「次はこれをもうひとつのに分けるんだよな」
「さすが分かってるね宍戸!」
「なんでですか?」
「熱いから冷ますの」
「あぁ、だからお椀を二つ持ってこいって話だったのか」
「ちょ、忍足こぼしすぎ!お椀からお椀は確かに難しいけど、せめてちょっとは残せよ!」
「上手くいかへんな、コレ」
「ちょっと貸してみ」
「…おぉ、柚慣れてるんやな」
「まぁね」
「なんや、家庭的な子ってええなぁ。今も手ぇ触れたし。アカン、勃っ」

バキッ

「変態一名、星になりましたー」
「「……」」
「そ、そうだ。みそ汁に納豆入れるのもオススメだぜ」
「キムチとかもいいよな」
「へー、色んなバリエーションがあるんですね」
「そこに忍足の生肉もあるしね」
「「……」」
「背後に阿修羅が…」
「しっ!言うな長太郎!」
「なんか言った?」
「「イイエ」」
「柚ー!そろそろ食べてもいいー?俺、お腹すいちゃったCー!」
「勿論いいよー!あ、慈郎ちゃん今度は気を付けてね。フーフーってやるんだよ」
「「……」」
「何や、急に機嫌直ったな」
「あ、侑士おかえり」
「フーフー、こんな感じー?」
「っ、うん!…やっべ慈郎ちゃん可愛いこのままお持ち帰りしたい」
「口に出てますよ」
「まぁまぁだな。豆腐が小せぇ」
「インスタントなんだから少しは妥協しろよ」
「なー、次は何やる?“庶民の生活を学ぼうの会”」
「洗濯とかは?」
「いいねー!」


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