逆立ち
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713 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/09 15:21
20年前の夏のある日、友人Aと俺は2人で夜、海を見にいった。
Aは免許取りたてで車を購入し、試し運転中での出来事だった。
夏の夜の海は波の音だけで、静かで良い、心が落ち着く。
俺達は海岸で将来の事や彼女の事など、夜の海を眺めながら
色んな話をした。話をしている内に夜もふけてきて帰ろうかと
車に戻る途中、遠くから、人の声が・・・「まだ、だめ!」
と友人Aと俺は2人して気にかけた、そして、その声の方に
歩きだした、夜の海辺は真っ暗で何もみえない。俺達は月明かりと
ライターの火で声の聞こえたあたりを歩いてみたが、人っこ
一人もみあたらない、深夜の1:00をまわっていた。誰かのいたずらか
空耳だろうと2人は解釈して、帰る事に・・・車で帰る途中、俺は
Aに「さっきのなんだろな」「お化けかなあ」ってAは「俺は今まで
そんなの見たことないし、お化けなんているなんて思えない」「きっと
空耳か波うちの反響音がそうきこえたんだと思う」と俺はその言葉を聞く
と安心した。海からの帰り道は山道をこえる、免許取りたてのAは
夜道なので道がよく解らないと言い出した、困った、俺もよくわからない。
俺達は来た道を帰るだけなのに、どういう道を走って来たか、あまり
憶えていなかった。俺達は誰かに道を尋ねたかったがなんせ山道で
何にもない、仕方なく、今、走行中の道を走っていれば、どこか
しっている道に出るだろうとひたすらその道を行く、その時、あせり
とか恐怖は別になかった。ところが、道の先に(100mぐらい)で
小さな子供のよな人らしき者がこの車に手を振っている、暗くてよく
見えないが、婆さんか爺さんにも見える、俺は思わずゾットして
ヤバイと思い、Aに「あれは人間じゃない!そのまま、突っ走れ」・・・
Aは「バカな!そんなのいるわけない」・・・車をその者の前で止める
その者は見るからに人間じゃないと俺は思った!Aはまだ、そんな事は
ありえないと言いきる、そして、


714 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/09 15:40
その者にAは「あんたどうしたの?」・・・
その者は気持ち悪くニタっと笑い、「死ね」といった!
それはまさしくこの世の者ではなかった。
顔はタダレしわくちゃの視線を合わすと凍りつくような!
みるもおぞましい者だった!
俺はタダタダ怖くて怯えていた、Aもそれをみてびびっているのが
わかる、でも、Aは車(左ハンドル)のウィンドウを10cmくらい
の隙間にしながら、こういった。「なぜ、死ななきゃならん」「おまえが
死ね」「お前は化け物か?化け物だったら、この窓の隙間から入ってみろ」
とその瞬間スッーとそいつの顔面だけが車内に入ってきた!・・・





716 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/09 15:57
Aと俺は2人とも気が狂いそうになっていた。
その顔面は気持ち悪くニタって笑っている。
2人とも大声で悲鳴をあげる!「ギギギギギャー」!!!!
そして、2人でその気持ち悪い顔面をつかみ、車の外に押し出し
車を発進、逃げる逃げる逃げる、もうAも俺も恐怖で逃げる意識しかない
後ろが気になるが振り向けない!ヤツが追ってきているのがわかる・・・
必死で逃げる!Aがまた、悲鳴をあげた!「どうした」・・・
「バックミラー!」Aの悲鳴に反応した俺は思わず、バックミラーを
みてしまった!そこには逆立ちで走って追いかけてくるヤツの姿が!




718 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/09 16:16
2人ともどんどん恐怖の底無し沼にはまって行く。
もう、ヤツから逃れることしか考えていない。
人間、一瞬の恐怖よりも、長時間の恐怖のほうに弱い
事をこのとき悟った、新車も2人の尿でシートがビチャビチャだ。
ヤツがおってくる、逃げる逃げる逃げる、今度は音が聞こえてくる
ばたばたばた、きっと、ヤツの手の音だ、でも、夢中で逃げる。
俺達は逃げるしかない!その恐怖は3時間も続いた、いつしか
音がしなくなった。だんだん、明るくなってくる、Aと俺は希望を
感じた、バックミラーを見た、ヤツの姿はない、しかし、もう
びびりまくっているので、油断できない、そのあともひたすら逃げた
民家が見えてきた、少し落ちついてきた、日が指してきた。気が付くと
昨日の夜にきた、海岸沿いだった。



720 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/09 16:37
俺達は人のいる海の家を探し、そこに逃げ込んだ。
そして、その海の家のおばさんに話しを聴いてもらった。
まだ、恐怖が残っていた、そのおばさんは優しく、素直に
俺達の話を聴いてくれ、お払いをしなきゃ行けないといい
俺達をそこの近くのある民家へと案内してくれた、そこには
年をとった老婆がいて、おばさんが俺達の事情をはなしてくれた。
そのばあちゃんはアラ塩をとりだし、何やらおまじないの言葉を
つぶやき、それを繰り返した、そして、車にも同じことをしてくれ
・・・「怖かったろう」って、「もう、大丈夫だから」って、でも、夜に
ここには絶対くるなといわれた。それから、他の友人に向かいにきてもらった
Aはその後、車に二度と乗ることはなくなったらしい、そして、俺はその土地を
はなれ、アレから20年たった今、こうして、書いてみた、Aとはあの件いらい
一度もあっていない、俺は何事もなく、過ごせたのだが、Aはどうなんだろうと
思い他の友人からAの情報をたまに得ているが、別に変わりないという。
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