祟られた一族
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233 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:01
これは我が一族にまつわる恐怖の実話です。
 私の家は祖父、父ともに早死にしています。父は私が産まれて2歳のときに亡くなりました。私にはほとんど記憶がないのですが、いつも祖母から お前も気をつけないといけないと言われていました。

 その私も子供が産まれて2歳の誕生日を迎えた 翌日のことです。
 その日は残業で駅に降りたのが11:00過ぎぐらいでした。いつもの通い慣れた道を帰宅中、何か雰囲気が違うのを感じていました。
 ふと見ると 昨日まで灯いていた 全ての街灯消えているのです。
 おかしいな と 思いながら坂道を上がって行くと どこからともなく竹の触れ合う ガチャガチャ というような 音が聞こえてきました

 良く耳を澄ますと 前方の坂道上の方からするようでした。私は歩きながら 前方を注視すると ボーとした明かりのなかに人陰がみえるのです。前から人が歩いてきていると ホッとしたのを覚えています、近づいていくうちに 竹の触れ合う音は そこから しているようでした。




235 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:06
良く凝らしてみると、それは鎧に身を包んだ 戦国武将の格好をした人と取り巻きの人達が数人こちらに向かって歩いてきます。
 なんだこりゃ? 撮影でもしているのかと思って辺りを見回してもそのような 雰囲気はありません。
 人影はだんだん近づいてきます。 それにつれて 音も大きくなってきました。
 そして 近づいてきたその人達に首がなく、この世のものではないというか感覚があり、私は恐怖に震えました。
とその時、武将の格好をした人が刀を抜き放ち こちらに走ってきました。

 ギラギラと光っている刀の恐怖は今もわすれません。私は何がなんだかわからず無我夢中で逃げました。駅の近くまで走ってきてやっと一息ついたときには もう音も武者もいませんでした。

 私は妻に電話し車で迎えに来てもらい 帰宅中、さっきの話しを妻にしていました。私は話しに夢中だったので気が付かなかったのですが、妻が さっきから同じ道をぐるぐる回っている気がする というのです。



236 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:08
確かにこの角はさっき通ったはず 妻は恐くなって車を止めました。私もこれは何かあると思いました。するとヘッドライトの先を何かが横切っていくのが見えました。
 最初はコウモリでも飛んでいるのかと思いましたが、よく見るとそれは兜をかぶった武者の頭だったのです。
 フロントガラス越しにこちらをにらみながら
「み〜つ〜け〜た〜ぞ〜」といいながら ギロリとにらんできます。
恐怖は絶頂でした。
 妻は突然悲鳴をあげて気絶しました。 なんと 窓ガラスという窓ガラスに昔の落ち武者らしい しかも顔が半分切られて無かったり 血だらけだったりした顔がべったり張り付いていました。

 私も恐怖で失神したらしく気がついたら 妻に揺り起こされていました。 時間はまだ午前2時頃で辺りはまだ真っ暗でした。急いで車を出して今度はすんなり家にたどり着くことができました。家中をたたき起こして 今の出来事を話しました。



237 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:10
すると 祖母がやっぱり来たかというのです。
 それは どういうことか と聞き返すと 実は私の父も祖父もそうだったというのです。
 私にはなにがなにやら わかりません。ただ、父も祖父も死因は心臓麻痺だったということが異常に頭に付くのです。確かにあのまま気絶していなければもしかしたら 心臓麻痺になっていたかもしれないからです
 そして 祖母は続けて 理由は分からないが 家の家系には呪いが掛けられているようだというのです。
 どんな? わかりませんが昔から家の部屋という部屋には御札が張ってあってなんだろうと思っていたのです。
 しかも何処へ行くにもお守りを持っていかないと 祖母によく叱られていました。
 今ではポケットにお守りを持ち歩くのは慣れっこになりましたが、お守りを持ち歩かなければ死んでいたかもしれません。



238 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:13
祖母は親交のある祈祷師を呼んで夜中だというのに家の中は騒然としていました。
私の部屋の隅々には何やら書かれた御札が張られ、部屋の真ん中には四角く縄のロープを張ってそのロープにも何やら文字が書いてある紙が貼られていました。
畳には水のようなもので 文字を書き 私は1週間 そこからで出てはいけなく食事も運ばれトイレもおまるでするように、キツく祈祷師に念を押された。 隣の部屋では祈祷が行われ、私はその中へ入ったそれほど 恐怖はなかった。 ただ、部屋に充満している線香の煙には閉口した。
 朝になって夜になったが何事もなく過ぎていった、私はちょっと大袈裟すぎると言ったが祖母がゆるしてくれなかった


239 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:14
 そしてその夜、昨日の疲れもあって私はすぐに眠りについた。 息苦しさに目をさますと付けていたはずの電気が消えて隣で祈祷しているはずの声や遠くの電車、車の音もしない静寂に包まれていた。
 流石に何かくるのかと恐怖したが その四角いロープからでないように当たりに気を配った。
 すると家全体がミシミシ音を立て地震のような地鳴り、揺れが襲った 思わず「地震だ〜」と叫んでロープを出ようとしたその時、私の腕が何者かに捕まれて押し戻された。
 びっくりして後ろを振り返っても誰もいない なんだ?
 ところが 押し戻されて畳に尻餅をついたとたん 揺れも地鳴りもしなくなった。窓の外に懐中電灯のような明かりがゆらゆらと無数にゆれていた そこから
 「くやしいぃ〜〜 あとすこしだった くやしいぃ〜」という呻き声が響いた。その声だけでガタガタと振るえがとまらず恐怖した。

 その日はそれだけで済んだ! 私は疲れ果てて朝眠った!すると 夢の中の自分に遠くから 「がんばれ〜 まけるな〜」と妙に懐かしい声がする。
 誰だろうと思っていると 随分古い着物を着た人達が7人ぐらいニコニコと笑いながら、こちらを見ていた その中の1人の白いYシャツを着たひとが父である気がした。
 思わず泣いている自分に目が覚めた!たぶん、昨日、ロープから出そうになった時、腕を引っ張ったのも、今の自分を守ってくれていることも、夢の父であることを確信した。なんとか1週間を乗り越える決意をして また 夜になった。




240 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:16
その夜も地震のような地鳴りのような揺れと音が鳴り出した。
 昨日と違うのはその音に混じって沢山の人達の声が
 「くやしいぃ〜〜 ここへでてこ〜い 殺してやる〜 」
 と言いながら家の外をぐるぐる回っている様子があることだ。
 御札が貼ってあるせいで亡者はここへ入ってこれないらしかった。

 そういう毎日が5日ほど続き、最後の夜になった。私は慣れてきたせいか 昨日は外の音にも眠ることが出来て、怖さも慣れるものだとびっくりもした。
 さて今日で最後だ! 来るならきてみろ〜 と言い放ち 過去の6日間から絶対来れないだろうと確信があった。
 そしてまた今日も地鳴りがして家が揺れた 内心またかと思いながら 朝が来るのを待っていた。




242 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:16
家の揺れも終わり 辺りが明るくなってきた いつもより時間が短く感じた。私はそこから出れるのがうれしくて 縄のロープに手を掛けた。

瞬間!
ギャ〜 隣の祈祷師の悲鳴である。
どうしたのかすごい声だった。

 すると 部屋の四隅に貼ってある御札の1枚が剥がれて畳に落ちた。急に部屋の中に風が巻き起こり、何者かが落ちた御札の貼ってあった場所から部屋へ入ってくる気配を感じた。
 すごい人数が部屋へ入ってきた。皆落ち武者のようにザンバラ髪で腕がなかったり頭から血をながしていたり、首がなかったりしていた。 彼らは私を殺そうとしているのが良く分かった。
 悪臭と醜い呻き声が部屋に充満する。これは殺される! そう思ったが 彼らは縄のロープから入ってくることが出来ないようでその外でもがいていた。

 私は叫んだ 「なんで私がこんな目にあわなければいけなんだ〜 いったいなんなんだおまえ達は」
 すると 武将の甲冑に身を包んだ 男が私の目の前にきて 私をにらんだ。
 その怖さときたら 思わず倒れそうになり縄のロープに手を掛けた。全身に電気のような感覚が走り、私は気絶したようだった。そこで夢のような現実のような 妙な体験をした。




243 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:17

 時代は戦国時代のような時代で、私は甲冑を身に着けてた。雨が降っていて、何か妙に生暖かい空気と重い鎧、それは夢のようではなかったのです。
 そして、私の前に堂々とした体格の大将と思われる武者が座っていて、辺りには人がいませんでした。 なにかとても、親しい間柄であることは感じられました。

 先ほどまで自分だと思っていたその体はいきなり 刀を抜き放ち、その人に切り付けていました。 鎧の重さは肩に食い込むようでした。急に切り付けられた 武者の首に刀が半分食い込んで 夥しい血が吹き出しています。
 なぜ 私はこの人を切ったのだろうと不思議な夢でもみているような なんとも言えない感覚でした。
 切り付けられた武者は刀を掴み抵抗し、こちらをむいて
「おのれぇ〜 うらぎりものめ〜 おまえの子孫を9代に渡って恨み殺してくれるぞ〜おぼえておけ〜〜〜」
 最後の声は良く聞き取れませんが そのように聞こえました。その恨みの声のすごさで気が付くと そこには 先ほどの夢に出てきた武者が
「うらぎりもの〜 おまえで9代目だぁ 迎えにきたぞ〜」
「迎えにきたぞ〜 うらぎりものぉ〜〜」周りの亡者からの声。
背筋が凍り動けません 私は畳に額を押し付け
「悪かった 悪かった ゆるしてくれぇ〜」と泣きながら叫んでいました
理由はよくわかりません。とにかく、あらんかぎりの声で何時間かさけんでいました


244 名前:しおり 投稿日:03/02/19 20:19
気がつくと既に亡者はいませんでした。私は呆然とただただ 辺りを見回すだけでした。そうしているうちに 祖母が泣きながら部屋に入ってきて、 もう終わったからここから出てもいいと言うので、うれしくなってその部屋から出て愕然としました。
 そこは血でいっぱいでした。 祖母の親しい祈祷師は首から真っ二つに切られていて、もう一人の祈祷師が未だ祈祷をやめていませんでした。
 その祈祷師の話しだと 私の替わりに祈祷師を連れていったということでした。
 確かに死んだ祈祷師は私の服をきていました。たぶん 私が助からないことを知った 祈祷師が身代わりになったのだろうことが容易に想像できました。

 私は夢のような体験を皆に話すと 祖母がおまえで9代目であろうと話していた。

地獄とはかくも近くにあったのだ。犠牲になった祈祷師の安らかなるご冥福をお祈りいたします

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