雨が降っていようといまいと、僕には割とどうでもいい事だった。 湿気の含む空気はどんよりとしていて、確かに少し憂鬱ではあるが。それからいつもお昼を食べている中庭に行けない程度。お昼ならば教室か食堂かで食べればいいだけだ。自分から進んでスポーツをするような性格でもないし、外に出られないからと言って暇を持て余す事もない。 だから、彼が「雨の日っていうのは退屈だね」と言うのが、よくわからなかった。 「そう?僕は…いつもと変わらないと思うな」 「そんなはずないよ、だって雨なんだよ?せっかくの休日なのに。」 もしかして、狛枝クンはどこか行きたい所があったのだろうか。あの出掛けたがらない彼が。 「そんなに退屈なら、皆の所行く?」 「…ううん、ここで出来る事がしたい」 そう言って、今まで床に座っていた狛枝クンが、僕の隣へくる。ギシリ、軋むベッドの音に、何か嫌な予感がした。 「部屋で、なんて本読んだりゲームしたり、とかかな」 「ゲームばかりやってるなんて、不健康だよ。少しは運動しようか」 どうしてこうも、嫌な予感ばかりが当たるのか。ベッドの縁に腰掛けていた僕を、後ろから抱え込む。狛枝クンの声が耳に掛かってビクリ、肩を震わせた。 「可愛いよ、苗木くん」 「ちょ…狛枝クン!」 部屋着として着ているパーカーに冷たい手が入れられる。わき腹、それから肋をなぞられ、その上にある突起をぎゅうっと摘ままれ、思わず声が漏れる。 「ふ、あッ!」 思わず手で口を塞ぐが、余計に息が荒い事がばれてしまいそうだ。 もっとも、僕の耳元に聞こえる声こそ荒い息をしているのだがこんな熱い身体では何も言えない。 狛枝クンの冷たい手が、火照った身体に気持ちいい。 「ッひぃ、あ、やぁッ、こま、えだくぅ、」 「あはっ、苗木くんのココ、もうこんなになってる。ごめんね待たせちゃって。もっと気持ち良くしてあげるからさ!」 「そ、そなの…ッいいからぁ!」 下着の中に侵入してきた手は僕のものを擦り上げ、ぐちゃぐちゃにしていく。 言葉ももうしどろもどろになって、制止の声は絶対に届いてない。 「ふぁッ!あ、あぅ、ダ、ダメ、もうイッちゃ…ッ、んぁッ」 にちゃにちゃと淫猥な音と、荒い息、それに、微かに聞こえる雨音。 頭が真っ白になって、下着と狛枝クンの手の中にその欲を吐き出した。 「…ふッ、ん」 「いっぱい出たね。このままにしちゃうの、勿体ないなぁ」 そう呟いてから、彼は僕の肩を引いてベッドに押し倒した。 射精してべとべとになった下着を脱がされ、冷んやりとした外気に腰が竦んだ。 そのまま足を開かされ、ああなんだ何をされるのか予想のついてしまう僕も大概だ。 「だ、ダメだよ狛枝クン…汚い、からぁ」 思わず、「ひぃッ、」と声が出た。僕の出したそれを、狛枝クンが丹念に舐めあげる度、ゾクゾクと快感がせりあがってくる。 「ん、あぅ、こま、えだクンッ!」 まだ解放してはくれなそうだ。 ああ、もう、気持ち良くて死んでしまいそう。 雨音に溺れる
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