という夢をみた
葉苗







朝、いつもの放送に起こされ食堂に向かう途中にとぼとぼ歩く葉隠クンの姿が目に入った。

「おはよう、葉隠クン」

後ろから見ると髪の毛に体が生えた見たいだなぁなんてくだらない事を想像していると、生気のない目がじとりと僕を見据えた。

「は、葉隠…クン?」
「苗木っち…」
「えっ、あっ、怒ってる!?妖怪毛だまんじゅうとか想像したから!?」
「苗木っち!違う、違うんだべ…」

渾身のボケにもスルーする程に青ざめた顔で「相談乗ってくれるん?」なんて言われて、断れるわけないじゃないか。



人には聞かれたくない、と言い葉隠クンの部屋へと移動した。
途中見かけた大神さんに朝食会を断るって伝えておいたから皆が探しにくる事もない。

「それで…葉隠クン、相談って…」
「…驚かないで欲しいんだべ」
「うん、大丈夫」
「俺、もうどうすればいーんかわからねぇんだ!」

そう言うや否や、ベルトを外しスラックスと共にトランクスを下ろした。

「…なっ!」

そこには以前の面影はなく。

「えぇぇぇっ!?」

彼の"ソレ"は異常なほど小さなものに変わっていた。

「な、なんで…?」
「知らんべ!何でなんだべ!?」
「葉隠クン、落ち着いて…」
「落ち着いてなんからんないってぇ、助けてくれぇぇ」

だめだ、やばい。これほどまでに錯乱した姿を見るのは初めてだ。
とにかく、あいつなら何か知ってるはずだ。

「モノクマ!お前なにし…」
「たってますなぁ!」
「うわっ」
「こんなんでたつはずねぇべ!治せ!」
「ヤメテよ〜。今の君、万年便秘の主婦がやっと出そうだと思ってトイレ行ったら幼稚園行ったはずの子供が篭城しててもう愛犬のトイレに行くしかないって時の顔してるよ」
「意味わからんべ!」

「にょほほほほ、では説明してあげましょう!」

高らかに笑いあげ、今ださらされている葉隠クンのソレを指差しモノクマは語りだした。

「温暖化やオゾン層の破壊…今や絶望的破滅へ歩み初めている地球ですが、被害は環境だけではなく人体にまでも及ぼし初めているのです。ダイオキシンやPCB、プラスチック、殺虫剤、合成洗剤などに使われている化学物質によって内分泌かく乱物質に影響を及ぼすのです。巻き貝のオスがメス化したり、ワニのペニスが異常に小さくなったり。その不気味な変化は人体にも影響を与えるかもしれないのです!」

「意味がよくわからんべ」
「…つまり、葉隠クンの体の異常は、内分泌かく乱物質の異常のせい、って事?」
「せいかーい!」


ピロピロ〜ン、という正解音と共にモノクマはスッと消えた。

「治らない…ってこと?」
「いや…ヤれば治るとかそういうノリだべ。そうだそうに違いないそうだと言って!」
「ちょ、アーッ!」





という夢をみたんだ。

「葉隠クン…ちょっと見せて」
「な、苗木っちが積極的だべ!」

「あああ、あ、あんたのその汚いもの、食堂で苗木に見せないでよ!」
「サイテー!」



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