僕だって男なんだ。
こういう閉鎖された場所で生活して、しかも監視カメラでずっと見られているとしても……溜まるものは溜まる。

他の人がどんなものかは知らないけどこればかりは仕方ないんだ。


「ん、はぁっ」


…こんな言い訳がましいのは、この行為に背徳感があるから。

達して頭が真っ白になって。
ティッシュで素早く処理して僕は何も考えないよう、眠りについた。



――問題はその次の日の夜時間に発覚した。


「…ゴミがない。」

そう、ゴミがない。昨日のあれの痕跡、が。

誰かが部屋にはいったのかな?
そうしてゴミを収集し捨てた、という事は掃除当番が善意でゴミを捨てたのかも!
今日の当番は、確か霧切さんだ。

話を聞く価値はある。あの事を思い出すし霧切さんにバレちゃったかもしれない…あくまでさりげなく聞こう。

ドアを開けた瞬間、まるでいつかの様に誰かとぶつかった。

「あっ、ごめん。……って霧切さん?」
「なに?」
「霧切さんこそどうしてそこにいるの?」
「…別に」
「まぁいいや。ちょっと聞きたい事あるんだ」

霧切さんにさりげなく掃除当番の事を聞いてみた。

「そういう事はしてないわ」
「そう…だよね。ごめんね、変な事聞いて」
「いいけど。何かあったの?」
「え?な、何でもないよ!」
「そう…?」

疑うような眼差しはそのままだけど、もう夜時間だから、と半ば強引に話を切り上げた。

掃除当番じゃないという事は一体誰が。

「(なんか気分悪いな。…でも霧切さんに犯人探しを頼む事もできないし)」

そもそもいつ僕の部屋にはいったんだろう。
僕の部屋には誰にでも入れた。…あろうことか、鍵を閉め忘れたのだ。

あるとしたら自由行動が始まってから。
モノモノマシーンをしてから一旦帰った時には…ゴミはあった。
その後は僕と朝日奈さん、大神さん、霧切さんと一緒に居た。
可能性があるとしたら葉隠クン、十神クン、腐川さんだ。

ゴミを漁って一体何の意味があるんだろう。


僕はこの学園生活が始まってから初めて…わからない問題を放り投げた。





寝転がったベッドの下に人がいると知らずに。



ベッドの下からこんばんは!