きみがくれるものなら風邪だってほしい3
そして私は刹那に抱えられたままメディカルルームに来た。
「Dr.モレノ」
「……刹那にリリィ。どうかしたのかい?」
「リリィが熱がある。診てくれ」
「じゃあ、こっちに来てもらえるかな?」
そう言われて私はモレノさんの前の席に座らされた。
「とりあえず……熱を計ろう」
そう言って体温計を渡されて、ピピッと計り終わった音がしてからモレノさんに体温計を渡した。
「……38℃。……風邪だね。薬を飲んで安静にしていれば直ぐに良くなるよ」
「……でも、仕事が」
「そんな状態で仕事なんてしたら悪化するよ。今は自分の体の事を考えてゆっくり休むこと。いいね?」
「……はい」
それから薬を飲んで今日1日しっかりと休むようにと言われてベッドに寝かされた。
「じゃあ僕は仕事があるから……刹那、リリィのこと頼んだよ」
「……あぁ。わかった」
そうしてモレノさんは仕事に戻っていった。
「……刹那、部屋に戻っていいよ?昨日ミッションがあって疲れてるでしょ?ちゃんと休んだ方がいいよ」
「……俺なら大丈夫だ。人の心配をする前に自分の心配をしろ」
「……うん。……ごめんね刹那」
「気にするな。……リリィが居ないと……調子が 狂う」
「刹那……」
「だから早く治していつものようにエクシアの整備をしてくれ」
「……うんっ!」
「とにかく今はゆっくり休め」
「うん。……ありがとう。おやすみ刹那」
「……おやすみリリィ」
そうして私は眠りについた。
きみがくれるものなら風邪だってほしい
翌朝、モレノさんが様子を見に来ると仲良く寝ている二人の姿があった。
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