きみがくれるものなら風邪だってほしい2




「……───!」







「……?」



薬を貰いに行くために通路を歩いていたら……誰かが私を呼んでいる様に聞こえた。



私は立ち止まってきょろきょろと辺りを見回した。

でも、そこには誰も居なくて。





「(……気のせいか)」





そう思って再び歩き出そうとしたら、





「……リリィ!」





今度ははっきりと私を呼ぶ声が後ろから聞こえた。



後ろを振り返って見ると、そこにいたのは……








「……刹那」



刹那だった。





「私に何か用事?」



「あぁ。エクシアの事で聞きたいことが……」





そこまで言うと刹那は急に黙り込んで私をじっと見てきた。





そして少しの沈黙。





「……刹那?」





沈黙に耐えられなくなって話し掛けたら





「……顔が赤い」



「……え?」





刹那から出た予想外の言葉に少し呆然としてしまった。





すると刹那は私の前に来ていきなり私の額に手を当てた。





「……せ、刹那!?」



「……熱い。熱がある」





そう言うなり刹那は私を持ち上げた。



……持ち上げた!?





「ちょ……刹那!?降ろしてっ」


「リリィ。熱が上がる。大人しくしていろ」





刹那はそう言って歩き出してしまった。



私は熱のせいでこれ以上喋りたくなかったので大人しく刹那に従うことにした。
 
 

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