素直になれない2
「…何かが焦げたような匂いがしたから何かあったのかと思って見に来た」
「あぁ…そういうこと。別に大丈夫だから気にしないで!」
「そうか…ん?何だこれは?」
「え?…っ見ないで!!」
ティエリアは私のチョコを怪訝そうに見ていた。
私は慌てて手で隠そうとしたけど遅かった。
「成程…リリィさんが料理などをしたから焦げた匂いがしたのか。それにしてもこんなに歪なチョコは初めて見た」
「なっ!!」
ティエリアの為に一生懸命作ったのにそう言われて、私は頭に来てつい怒鳴ってしまった。
「…ティエリアの…バカー!!」
…そして現在に至る。
「はぁ〜…。なんでこうなっちゃうんだろ…」
今日はチョコを渡して『好き』って言うつもりだったのに…。
私は膝を抱えて蹲った。
「何をしている」
「っ!」
本日二回目の、今一番会いたくない人の声が聞こえて内心びっくりしたけど、振り向かなかった。
「別に…何もしてないよ」
「そうか…そういえばあのチョコは誰かに渡すつもりだったのか?」
「別に何だっていいでしょ」
「それなら…俺が貰う」
「…は?」
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