この人の中に、私の愛した人はいない




「GN粒子って綺麗だよね」

「そうね」

殺人兵器に向かって綺麗は無いだろう。
けれど、あんな所に4年間も居た
アレルヤが綺麗って言うものならば
きっと綺麗なんだろう。


「なんだい?今日は随分素直なんだね」

「気持ち悪い?」

「まさか、嬉しいよ」


右目の彼なら間違いなく罵るであろう言葉を
彼は難なく褒めてみせる。
嬉しいはずの言葉は私の心をチクリと指した。

(あぁ、やっぱりアレルヤなんだ。)





いつだったか、ハレルヤは言った。
アレルヤの為だけに俺は生まれた、と。
じゃぁいざと言う時は
アレルヤの変わりに犠牲になるの?と
ふざけて言った私に
彼が呟いた言葉が、忘れられない。



「どうしたんだい?リリィ」

「ううん、なんでもないわ」



この人の中に、私の愛した人はいない

「その時は、俺を忘れてコイツと幸せになれ」



2009.03.29
ハレルヤが消えちゃった捏造



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