text | ナノ

電車のドアが閉まるのを見ていた。ドア一枚分隔てた向こうには両手を握りしめて立ち尽くす女の子。彼女の学校は俺の降りる駅のひとつ手前である。俺があんなこと言ったものだから、電車に乗り過ごしてしまった。彼女は遅刻決定だ。あの様子だと、今日一日は俺のことを考えてくれるだろう。

初めて見たのは入学式の朝。同じ日に入学式だったらしい彼女は、新品のきっちりと制服を来ていた。緊張した面持ちが面白くて、電車を降りるまで彼女を見ていた。
その日から朝練の無い日の朝に何度も彼女を見かけて、気付けば目で追っていた。最近変わったことは、彼女がパーマをかけて髪の毛がふわふわになったこと。


「好いとう」
そして、気付けば、声をかけていた。
「初めて見た、時から」
もう止められなかった。みるみるうちに赤く染まる彼女の顔を見て、事の重大さに気付いた。


俺は今日、初めて女の子に告白をした。

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -