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朝の駅のホームには人がたくさんいるのに、なんだか空間がそっくりそのまま切り取られたようだった。今私の視界にあるのは銀髪の綺麗な顔をしたお兄さんと、お兄さんが背負ったテニスのカバン。今私に聞こえるのは、そのお兄さんがどこの方言かわからないような言葉で私に話しかけていること。

はじめて会って、はじめて喋りかけられた。いきなりすまんの、と言って、彼は各駅停車の電車に乗っていった。あの制服は、確か立海。私が降りる駅のひとつ向こうだ。私もこの電車に乗らなければいけなかったのに。ああ、足がすくんで、心臓がうるさくて、体をうまく動かせない。


今日、私は知らない男の子に告白をされました。

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