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その日も雪は降り、学校のすぐ近くにある裏山を白く染め上げた。変に白く明るい空を見上げて、大きく息を吐いた。
「名のやりたいことをやろ」
「やりたいこと…?」
「行きたいとことか、無かと?」
「行きたい、とこ」
何でもいい。とにかく何かしてやりたかった。名の目はまだ少しとろんとしたままだった。
「千歳とおれるんやったら、どこでもいい」
そう言って、名はまた涙を零した。うん、と俺が言う。
「そばにおって、千歳」
悲しいことだが、こういう状況になってから名の新しい面をたくさん発見した。強がりの印象だったが、俺に甘えることがほとんどだし、いや、当たり前かもしれないが、ストレートに気持ちを伝えるようになった。でも俺はそれをできるだけ叶えてやりたかったから、肯定しかしなかった。
「わかった。ずっと、おるよ」
名は弱々しくだが、にっこりと笑った。
「ありがとう」
それは、心からの感謝だった。

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