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「せんせぇ!うちのイグアナちゃんが!」

家のちかくのじゅういさんは、キレイでやさしいお姉さんがいてはる。そのお姉さんが、ぐったりしてるイグアナちゃんをだっこしたおれのとこまで走ってきてくれはった。

「謙也くん、どないしたん」
「イグアナちゃんがな、学校から帰ったらこんなんなっててん」
「えらいしんどそうやなあ。ちょっと奥行こか」

ひょいとおれのうでからイグアナちゃんをだっこして、先生はおくの部屋までちょっといそいでいった。

「せんせぇ、イグアナちゃんしんでまうん?」
「大丈夫やで謙也くん。先生が治したるからな」
「や、やくそくやで!」
「もちろんや。せやから謙也くんも泣かんと待てるやんな、男の子やろ?」
「うん!」

やさしい先生は、キレイな手ぇでおれのあたまをよしよししてくれた。ほんで、おれはへやのそとで待っといてな、ってゆわれて、ドアの前でまってた。なきそうになったけど、先生が治してくれると思ったからなかへんかった。
どれくらいまったんかわかれへん。めっちゃまった気ぃするけど、ぜんぜんまってへん気もする。

おっきいドアがあいて、先生が謙也くん、てよんでくれた。

「謙也くん、終わったで」
「ほんま!?イグアナちゃんは!?」
「今はじっとさしたりな。イグアナちゃんしんどいて言うてるから」
「し、しなへんの?」
「ちょっと風邪ひいてもうたみたいやなあ。最近寒いやろ?」

よかった。イグアナちゃんしなへんねんて。

「せんせぇ、あ、ありがとうっ」
「あらら。男の子は泣かへんとちゃうん?」

先生はおれをぎゅってしてくれた。赤ちゃんにやるみたいに、せなかをぽんぽんたたいて、ココア入れたるわ、待っとき。ってゆうておれのせなかから手をはなした。

「先生、ほんまにありがとう」

先生はにっこりわらって、おいしいの入れたるってゆうてどっか行った。


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イグアナちゃんって風邪ひくんやろか




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