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「貴様は女としての自覚が無さ過ぎる。我が居ない時のそのだらしが無い服装とこの荒れ果てた部屋は何ぞ。衣服は下着と他の物とが乱雑に纏められ、ゴミ袋も部屋に置きっ放し、食器も台所に放置。これではまるでゴミ屋敷とその住人ではないか。食す物もコンビニ弁当にファストフード、ましてやカップラーメンとは、貴様最早女を捨てているのか? 斯様に不健康この上ない物を食すのは己の身体を顧みぬ愚者のみよ。ダラダラと暇を持て余しているならばまともな料理の一つでも覚えたら如何だ。真、無用の長物極まりない女よ。買い物に行かせれば迷子になるわ目的の物を買い忘れるわ車に轢かれそうになるわで危なっかしくて一人で遣いにもやれぬ。夜は豆電球を付けねば床に就けぬ厄介な体質であるし、雷が鳴る夜は我が一晩中付き添うてやらねばならぬ。極度の面倒臭がりで我が居なければ何も出来ぬ役立たずであるのに、その癖世の女達が血眼になって負け犬回避の為の策をあの手この手で講じ右往左往しているものを、貴様はまるで何処吹く風。解せぬ。貴様は阿呆かはたまた変わり者か。世間一般の女と少しズレていると思って心積もりはしていたが、まさか此処までとは計算外であった。まだ長曾我部の方が幾分か乙女心があるものを。よもやずっとこのままでいるつもりだったのではあるまいな。我が直々に動かねばならぬとは、余程世話を掛けさせたい様だ。救いようが無いとはまさに貴様の事を言うのであろう、我程の器量が無ければ付き合い切れぬわ。家事も祿に出来ぬ女なぞ、嫁の貰い手も無かろう。有難く思うが良い、そんな救いようの皆無な貴様の面倒、我が見てやる」

「……もしかして喧嘩売ってる?」

「フン、やはり理解出来ぬか。だから其方は阿呆だというのだ。いつ迄経っても何も言い出さぬ故、我から申してやっている迄よ」

「だから、それはどういう、」

「なまえ、」


結婚しよう

20111010
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