The cheeks which turned red.


その四年後、お父さんがいなくなった。
シーザーは荒れて、弟や妹たちは施設に入った。私は、シーザーといた。

一種の依存。
私はシーザーから離れられなかった。
シーザーがいないと、私はまた捨てられてしまいそうで、恐くて恐くて、

シーザーに対する想いは、なんだったのかわからない私は、その想いに名前をつけなかった。
名前なんて、決まってたのに。

私は、シーザーに恋をしていたのに。


『シーザー、』
「マリア、おまえはあいつらと施設に行けよ」
『イヤ』
「ッ、」
『私、シーザーと離れたくないもの。シーザーと離れたら、身体売ってやる。』


ギュッと身体の前で手を握って、強く強く、シーザーを見る。
イヤよ、イヤ。今さら、貴方と離れたくないもん。今、貴方と離れたら、私は今度こそ身体を売る。そして、あの子たちを引き取って、育てるの。一人はさみしいから。


「おまっ、そういうこと簡単に言うんじゃねェよ!」
『それくらい、私、離れたくないんだもん。』
「どんな殺し文句だよ…」
『?』


赤く頬を染めたシーザー。幼い私はわからなかったけど、今なら分かるわ。シーザーは照れてたのね。

ああ、今なら貴方に好きも愛してるも言えるのに。こんなにも気持ちを伝えたい貴方はもういない。

 
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