There was you before my life.


私の母は娼婦だった。
本当の父親なんてわからず、母親と二人で住んでいた。

家に男を連れ込む母親から逃げるために、私は外で一人遊んでいた。そこで私はシーザー・A・ツェペリと出逢う。

彼は私のヒーローだった。
彼と一緒にいると一人の世界から逃げ出せた。


『ねえ、シーザー。なんで私に話しかけてくれたの?』
「何故って…可愛い女の子がそこにいたら話しかけるだろ。」
『…はいはい』


結局、彼ははぐらかすばかりで、何故私に話しかけたのかはわからずじまいだった。

あの時、シーザーが私に話しかけてくれなかったら、きっと私はリサリサ先生にも逢えず、スージーQにもジョジョにも逢えなかった。私は一人、あそこでは母親と同じ仕事をし、死んでいったと思う。

ねえ、シーザー。
貴方がいたから、今の私がいるのよ。


「マリア、愛してる」


今でも思い出すのは貴方の最期の言葉。
私が返せなかった気持ち。

色褪せることなく、それは私の心の中に住んでるのよ。

 
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