It is about him that I occur.


彼のお葬式が終わって、彼は土に還った。
もう、この世に彼のモノはなにもない。
そうなの。なにもないの。


「マリア、」
『ジョジョ…、』
「俺が悪い、俺が悪かったんだ…」

ジョジョは、悪くない

そう言いたいのに、言葉が詰まって出てこない。
それは心の奥で、少しでも彼を恨んでるからなのかな。わからない、わからないの。


『ジョジョ、』


ボロボロと泣きながら私に謝る彼を見る。
彼は、彼の仇を取ってくれた。
人類のピンチを救ってくれた。
誰にも知られることがないけれど、確かに彼はヒーロー。

そんな彼が、貴方のために涙を流して謝るのよ、シーザー。貴方はすごい人なのね。


『ねぇ、シーザー。貴方、帰ってきたら、結婚しようって言ってたじゃない。』


彼は帰って来なかった。結局帰ってきたのは、冷たい彼の亡骸だけ。

私、まだ好きも愛してるも言ってないのに。

私を、置いて行かないでよ。


『ねえ、ジョジョ。ジョジョにだけ教えてあげる。』

私と彼の秘密のお話。

誰かに伝えたかった。
もう続くことのないこの話を。

もう永遠に動くことのない、お話。

 
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