あ、やっちゃった。
産まれた瞬間、そう思った。

私の名前はジェームズ、ジェームズ・ポッター。ちなみに女だったりする。うん。これってさ、アレだよね。成り代わりってやつだよね。夢小説中なんかじゃ、ジェームズを殺したって悲劇のヒロインになるけど、うん。私も、そんな感じだった。成り代わりヒロインをバカにしてた頃が懐かしい。

我が家は名家。そして一人娘の私は、男として育てられた。だから、名前もジェームズ。
それゃあ、もう必死だった。
ジェームズとして恥ない私になるよう。
魔法だって、魔法学校に入る前から本を読み漁ったし、紳士的な行動を取るように必死で勉強した。

一番の問題は、私が男ではないことだった。

男でなければリリーと結婚して、ハリーをこの世に誕生させることができない。ハリーがこの世に産まれなければ、この世界は闇の帝王に乗っ取られ、支配される。
どうせ成り代わるならば、男にすればいいものを。
何度もそう思ったが、もう文句を言っても仕方が無い。いざとなったら、私が薬で性転換、もしくはリリーが他の男、例えばシリウスとか、と結ばれればいい。
母体はリリーだ。リリーがいる限り、ハリーは生まれるだろう。

あ、でもハリー・ブラックってなんかヤダ。

そんなのんきなことを考えて、私は十一になるまで育ってきた。


「僕はリリーっていうんだ。女の子みたいだろ?男みたいな名前の君と合うと思うんだ、ジェームズ。」


そうきたか。


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