ずっとずっと女みたいな自分の名前がコンプレックスだった。

でも、君を見たら自分のコンプレックスなんてどうでもよくなったんだよ。

可愛い可愛い僕のジェームズ。


「ジェームズ、おはよう。今日も可愛らしいね。」
『……』
「もぐもぐと食べてる姿もまるで小動物のようで可愛らしいよ。」


僕をチラリと見てから、もぐもぐとオートミールを咀嚼する姿が可愛い。


『…あのさあ、あんまりジロジロ見ないでくれないかい?食べるのに集中できない。』
「大丈夫だよ。僕がちゃんと見守ってるから安心して。」
『……(言葉通じない)』


ムスッとした君も可愛らしい。
まるで天使だ。
ジェームズを男だと思ってるやつの気が知れないね。彼女はこんなにも可愛らしい女の子なのに。なぜ、みんなわからないんだろう。

ああ、でもジェームズが女だとバレたら、たくさんの男が彼女に心を奪われるじゃないか!


「もういっそのこと、監禁とか…」
『(こいつはなに不吉なこと言ってるんだ)』
「ジェームズ!やっぱり僕の部屋に来ない?僕の部屋、僕一人だけだし」
『よけいに行くか、ボケ。おまえと二人っきりなんて、自分の身が危険な気がしてならないね』
「〜〜〜っ!ジェームズ可愛い!!」
『抱き着くな、馬鹿!』


力では僕に叶わないくせに僕の腕から逃げ出そうとする君が大好きだよ!


「リリー…おまえ、なんで授業態度は真面目なのに、ポッターにだけあんな態度なんだ。」
「だって、ジェームズは可愛いんだ。ま、セブルスにはわからないだろうけどね。」
「男を好きになるおまえの気持ちなんてわかりたくない。」


ジェームズに殴られた僕に近寄ってきたセブルスにニヤリと笑う。

いいんだ。誰も気付かなくたって。
誰も気付かなければ、彼女は僕のモノになるから。


「さて、次はスラグホーン先生の授業か。セブルス、一緒に行かないか?」
「……いつものおまえなら、ポッターもなんにも言わないんじゃないか?」
「セブルスはわかってないなあ。女の子は自分だけ特別扱いされてるってことにときめくんだよ。」
「……(おまえの特別扱いは特別扱いじゃないだろ。そしてあいつは男だ)」


今度はどんなことをしようと思いながら、セブルスと次の授業に向かった。


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bkm
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