なんとかリリー・エヴァンスには関わらずに生活してるジェームズ・ポッターです。
たまにジッと見てくる緑の瞳の視線が痛い。
が、とくに話しかけられるわけじゃないので放置してる。

あの目は、苦手だ。


「今日はスリザリンと箒の練習だってよ」
『ふーん…スリザリンかぁ…』
「あの純血主義共とやると思うと反吐が出る」
『それをシリウスが言うかい?なあ、じゃあちょーっと遊んでやろうじゃないか!』
「は?」


ジェームズはイタズラ好き。
だからね、私もイタズラ好きなんだ。
ジェームズの中に私がいて、私の中にいてジェームズがいる。もう、私とジェームズは同じなんだ。

シリウスに耳打ち。
すると、ニヤリと悪い顔をしたシリウスに今の私もそんなのだろうと考える。


「いいな!それ!」
『自分からつっかかるなよ?』
「おう!」


私は関わらない。
リリーには。彼女だった彼には。

シリウスと馬鹿やってることが楽しいんだ。幸せなんだ。

楽しみのなかったジェームズの初めての楽しみ。

箒で飛ぶ時間になると思った通り。
先生がちょっとした用事で消えるとスリザリンたちが陰口をいい始める。


「純血のくせに、マグルの味方になったシリウス・ブラックだぜ」
「名門のくせになァ?」

「うっせ」
『そんな君たちを楽しいことに誘ってあげようじゃないか!』


ニヤリ、笑って杖を取った。


「うわぁああ!!」
『ははっ、空中散歩はどうだい?』
「ジェームズ、おまええげつねぇ。」
『そんなこと言って、君も同じことをやってるじゃないか』
「おまえより楽しんでねーよ」


ムッと口を尖らせる。
別にいいじゃないか。人を殺してるわけじゃないんだし。


「ジェームズ、シリウスもやりすぎだよ」
「せ、先生が来ちゃうよ…!」
『むー。リーマスもピーターも厳しいな』


そう呟いて、スリザリンの奴らを下ろそうとした時だった。


「ポッター!ブラック!なにをしてるのです!!」


怒ったような先生の声が聞こえて、シリウスと目を合わせる。


「うおっ、どうする?ジェームズ」
『決まってるだろう!逃げる!』


二人で箒に跨がって、空を飛ぶ。
私は自分の家で箒は練習済みだから、スイスイ飛べた。チラリ、となりで同じように飛んでいるシリウスを見て笑顔になる。

さっすがシリウス!君ならできるって信じてたよ!


『ふっ、あはは!』
「おま、いきなり笑ってんなよ!」
『だって楽しくて!』


ああ、こんなに笑ったの久しぶり。
ジェームズ、君の友達はいい人ばかりだね。
私、幸せになれそうだ。


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bkm
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