『ぁ…なんで、みんな寝てるの……?』
辺り一面に真っ赤な紅。
そんな紅に沈むのは私の大好きなみんな。
「ひゃはは!!お前は殺さねぇから安心しろよ!!」
『なんで、なんで、』
私の目の前には下卑た笑いをする奴ら。
「なんで、だぁ?化け物を大人しく渡さねぇからだろ!」
『化け、もの』
「お前のことだよ!!!」
男はそう言ってニタリと嗤う。
じゃぁ、今こんなことになってるのは私のせい…?
私が、私ガ、ワたシが、ワタシガ、
『化け物、だから……』
「そうだよ!これ見ろよ!こいつらの無念そうなこの顔!!」
突き付けられるのは私の大好きな後輩。
それを見た瞬間に意識は真っ暗な闇へと沈んだ。
少女の身体から力が抜けた瞬間に少女の身体から純白の光りが発せられる。
その光りは、辺りをも巻き込む。
パァァァアア
「は、はぁ?!なんだよ、これ!」
「おい、やべーよ!逃げるぞ!」
『逃ガサナイ。』
ピキピキピキピキ
光りは爆発的にその範囲を広げる、
それは一瞬、一瞬だった。
今まで光だったものはすべてが凍った。
そこにあったすべてのものが。
少女までも……
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bkm