上にはサンサンと輝く太陽が、下には黄金に輝く砂漠が広がっていた。
そんな場所にぽつんと普通の女子校生が一人。
『さぁて、ここはどこでしょうかぁ。』
確か私は学校でお昼寝していた気がするんですよねぇ。
あれぇ?日本…じゃないですよねぇ?
こて、と私は首を傾げる。
と、ここで私は広い砂漠の中に何か青いものが埋まってるのを見てしまった。
『食べ物でしょうか?とりあえず、歩きましょ。』
歩いてるときもキョロキョロと周りを見渡すけどやはりあるのは砂だけ。
あとは乾燥している草木とかですねぇ。
『……おやまぁ、男の子でしたか。』
「うぅ…おねえさん……たすけて……僕に水を……」
『水、ですか?』
ごそごそと唯一持っていたカバンを漁ってなにか水になるようなものを探す。
すると、私の飲みかけのりんごジュースと開けてないオレンジジュースが入っていた。
『…りんごとオレンジ、どっちがいいですか?』
「うぅ…」
『……では、オレンジをあげますね。』
答えられそうになかったのでオレンジジュースをあげることにした。
私、オレンジジュースってあまり好きじゃないんです。
キョロキョロとなにか日陰になりそうなものはないか探す。
すると、男の子が埋まっていたすぐ近くに建物があった。
…あそこなら身体も休まりますよね。
私は男の子を抱っこして建物に向かう。
男の子の身体は熱かったです。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
「ギャッハッハッハ」
建物のなかったに響く下品な笑い声。
…見なかったことにしましょう。
くるっと方向転換をしてまた違う建物を探そうと外に出ようとする。
と、私はここでとても大変なことに気付いてしまいました。
男の子がいません。
「ハァ……ハァ……おにいさんたち…たすけて…僕に水を……食べ物を……」
そーい!
なんでそこにいるんですかぁぁぁあ!!!
おかしいですよね?!!
それは盗賊だと思うんですよぉぉぉお!!!!
そう思い、ぱくぱくと口を動かす。
恐くて声が出せないんです。チキンなんです。
「ギャッハッハッ!!!」
「盗賊のアジトに来て【助けて】だとよ。」
「身ぐるみ剥いで売っ払え。にしても、大した金にならねぇなぁ〜…」
盗賊たちは男の子を囲みながらニヤニヤと下卑た笑いをしながら男の子の胸ぐらを掴む。
行かなくちゃ、行かなくちゃ。
連れて来てしまったのは私なんです。
私がここに連れて来なかったらこの子は盗賊になんて襲われなかったんです…!
ぎゅっと拳を握って震える身体を落ち着かせる。
「こんなひ弱なガキ一匹じゃなぁ〜〜!」
『っ、待ってくださ……、』
ムキーン
私が身を乗り出した瞬間、男の子から生えた二本の腕。
「「「「『ギャーーーーッ!!』」」」」
あれぇ?私、こんな漫画見たことある気がしてきましたよ?
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bkm