『ジャーファルー!』
「おや?ナマエがマスルールと一緒じゃないなんて珍しいですね。」


ジャーファルに飛びつくように抱きつけば、ジャーファルは簡単にルフのこと受け止めた。

それから、頭を撫でて優しく聞いてくれる。
優しいひと。


『あのねマスルール、シャルにとられちゃったの。だから、ジャーファルのとこ来たー!』
「そうでしたか。そういえば、途中でシンドバッドを見ませんでしたか?」


その言葉にうーん、と考える。
すると、ルフの仲間がチチチ、とシンがどこにいるかを教えてくれた。


『あ、ルフの仲間が、シンは街のいろまち?ってところいるって!ねぇねぇ、いろまちってなぁに?』
「…まだ、ナマエ知らなくてもいいところです。」
『えー!シンだけズルいよ!』
「それ以上聞くと、ヤムライハに今日のナマエの宿題を増やしてもらいますよ?」
『!!やーっ!』


ニコリと笑ったジャーファルにびくりとしつつ、イヤという意味も込めて力いっぱい抱きつけば、ジャーファルは「冗談ですよ」と言って笑った。


「さて、シンを迎えに行かなくてはなりませんね」
『ルフは行っちゃダメ?』
「ナマエはお留守番です。」
『えー…、つまんないよ?』
「マスルールたちのところに行ってきてはどうですか?」
『…だって、マスルールがシャルには近寄っちゃダメって。』


つい先日、マスルールがルフに言った言葉を思い出す。

シャルの剣技を見てたら、マスルールに怒られてしまった。

「先輩なんかと二人になったらダメだ」って。

その時のマスルールの顔は真剣だったから、言うこと聞かなくちゃいけないの。


って、ジャーファルに伝えたら、ジャーファルは一つため息を吐いた。


「…大丈夫ですよ。今はマスルールとシャルルカン二人でいるんですから。ナマエと二人きりじゃないでしょう?」
『あ!そっか!』


ジャーファルの言葉にぽんっと手を打つ。
そうだよね!マスルールは二人になっちゃダメって言ったんだもん。
マスルールとシャルがいれば二人きりじゃないや!


『ジャーファルありがとう!ルフ、マスルールのとこ行ってくる!』
「はい。いってらっしゃい。」


ニコニコと笑ってるジャーファルに、ルフも笑って手を振ると、ルフはマスルールたちのところへ走った。



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