ずっとずーっとルフは眠ってた。
昔、一緒にいた人は言ってた。
ルフが起きる時は、ルフが仕える主様が現れてからだって。
あるじさまってだぁれ?
そう聞いたら、その人はルフの頭を撫でるだけで答えてはくれなかった。
『ねぇ、マスルール。マスルールはルフのあるじさまじゃないの?』
隣りに立つ、ルフを起こした人に聞く。
そしたら、マスルールは首を振るだけで、ルフの主様についてはなんにも教えてくれなかった。
主様に逢ってみたいな。
きっと、ルフに優しい人なの。
『そしたらねぇ、あるじさまに遊んでもらうのー!マスルールはいっつもお仕事大変でルフと遊んでくれないんだもん!』
「……すまない」
『マスルールは悪くないんだよ!ルフね、マスルールだぁいすき!』
ぎゅーっとマスルールに抱き着くと、マスルールは私を抱き上げてくれた。
昔、私と一緒にいた人は言ってた。
ルフがいる部屋以外は汚れてるんだって。
でもね、ルフはマスルール大好きだから、ここはすごくいいところなの。
お菓子もくれるし、撫でてもくれるし、遊んでもくれる。
手をかざすと、白いルフの仲間が寄ってきて、ルフとマスルールの周りをまるで祝福するように囲った。
『ルフは、この世界大好き。』
主様も好きだと嬉しいな。
そう呟くと、ルフの仲間はぐるぐると天にのぼり、やがて消えた。
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bkm