わたしが笑うと幻も嗤うの わたしの言葉にイリュージョンの口角が上がるのがわかる。 ああ、嬉しいんだ。 “オモチャ”を刻めることが。 イリュージョンが愉しんでるのが分かると、わたしも自然と微笑む。 「はい、柚子様!お任せくださあい!」 「ま、待て!助け、」 助かるかと思ってた男が、絶望した顔で叫ぶ。 きっとイリュージョンのことだから、たくさん刻んだりするんだろうな、なんて考えながら、男の叫びを無視して、男の子のところへと向かう。 「ぅ…」 『大丈夫?』 そう問いかけると、男の子はキラキラとした瞳でわたしを見てから、イリュージョンの方を見た。 『?見たいの?』 「……(コクリ)」 頷いた男の子を抱き上げて、イリュージョンのもとに近づく。 「あはは。その顔ウケる。」 「だ、だじゅ、」 「だあめ。柚子様の“お願い”だからね。」 そこでは、とても楽しそうな声色をしたイリュージョンが男の肌を生きたまま剥いてた。 痛そうだなぁ、なんて思うけど、それだけ。それ以上の気持ちは湧いてこない。 「あれ?柚子様、その子はどうしたんですかあ?」 『あのね、イリュージョンの殺してるところ見たいんだって。』 「ふーん…」 イリュージョンはチラリと、わたしの腕にいる男の子を見てから、虫の息の男を見た。 「お前は、さっきまで自分が殺そうとしてたガキに見られて死ぬんだよ。かわいそうに。」 「う”ぅ、」 「まあ、もう死のうか。柚子様を待たせるのって嫌いなんだ、私。」 ばいばあい ジュッ、 皮膚を剥がした頬に、火の付いたマッチを落とす。 劈くような悲鳴が響くと男は絶命した。 『楽しかった?』 「……(コクリ)」 『君は喋れないんだね。あとで、言葉教えてあげる。』 「柚子様、それは連れて帰るんですか?」 『うん。』 首を傾げたイリュージョンにとびっきりの笑顔で言葉を返した。 |