だってわたしたちは家族だから


『ふふ、シャール。』
「あぶあ!」


私の腕の中で、キャッキャッ笑うシャルナークに、私も自然と笑みを作った。

この子の母親が死んでしまったあと、あの人はファイアリーで燃やした。
だから、わたしはシャルナークの母親代わりにならなくちゃ。

だって、母親がいないのはさみしいでしょう?


「姉さん。」
『あれ、クロロ。どうしたの?』


そう言ったかと思えば、クロロが無言でわたしの背中に寄りかかって本を読む。

?どうしたんだろ。


『クロロ?』
「……なに。」


あれ?もしかして機嫌悪い?

わたし、なんかしたのかな。
なんて思うけど、シャルがあぶあぶ言い出したので、視線を移す。


『シャルー?』
「ぶぁ!」
『クロロが気になるの?』


シャルがわたしの背中に登って、クロロに手を伸ばす。

可愛いな。


『クロロ、シャルのこと抱っこしてみない?』
「……する。」
『ふふ。はい、どーぞ。』


クロロにシャルを抱かせると、クロロはたどたどしい手つきで、シャルを抱き上げる。

二人とも可愛いなぁ。


「生きてる…」
『そりゃ、そうだよ。クロロの甥だよ。』
「甥…?」
『そうだよ。だって、クロロはわたしの弟でしょ?そしたら、シャルはクロロの甥でしょ?』


クスクスと笑ってクロロを見ると、クロロはなんだか嬉しそうに不思議そうに、シャルナークを見ていた。


「シャルナーク遊ぶぞ!!!」
「ウボォーはうるせぇよ!」
「…二人ともうるさいぞ。」


わたしたちのところに来た三人を見て、また騒がしくなるなぁ、と笑う。

どうかシャルが幸せにありますように。


クロロSide

最近、姉さんが全然全く俺に構ってくれない。それもこれも、最近来た赤ん坊のせい。

俺の姉さんなのに。

ウボォーさんやフランクリン、ノブナガが来たときはまだよかった。
三人ともしっかりしていたから、姉さんの庇護が必要なわけでもない。

でも、シャルナークは別。
まだ赤ん坊だから、一人でも生きることができない。だからって、俺の姉さん独り占めしていい理由にはならないけど。

むぎゅっ

「お前はいいよな。」
「あぶあぶ!」

ほっぺたをつねったのに、遊んでもらってると勘違いしたのか笑っているシャルナーク。

こいつ、馬鹿だろ。


「クロロ、お前なにしてんだよ…」
「あれ、ノブナガ。どうしたの?」
「いや、お前…」


なんかドン引きしてるノブナガがいたけど、そんなの知らない。

フランクリンが後ろから、俺の頭をポンと叩く。


「シャルはまだ、子どもだ。あんまり、イジメてやるな。」
「……チッ。」
「…………」


フランクリンには舌打ちしてやった。

そんなことをしていると、いつのまにかウボォーがシャルナークをぶんぶんと振り回していた。


「うぉぉおお!シャルナーク!遊ぶぞ!!」
「うぎゃぁぁぁぁあんんん!!!!」
「すごい…!」
「「は…?」」


俺がほっぺたを抓っても、頭を叩いても泣かなかったシャルナークを泣かした。

俺がウボォーさんと呼んだ初めての出来事。


この二日後。
俺はシャルを認めることになる。


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