神様、わたしは貴方を一生怨みます


ただ、幸せになりたかった。
それは叶わなかったけど。



目を覚まして絶望する。
だって、死にたかったのに。
目を覚ますってことは、生きてるってことでしょう?

ポロリと、一筋の涙が私の頬を伝う。


「起きたんか?」
『…………』


ここはどこだとか、わたしの頭を撫でる人が誰だとか、そんなことどうでもいいの。

ただ、私は息を止めたかった。


ケロちゃんSide

静かに涙を零して屋上から飛んだのは木之本さくら。ワイらの持ち主。

なんで、こんなことになったんやろか。
ワイにはわからへん。

ただ、わかるのはワイがさくらのカード失格やゆーこと。

ワイはずっとさくらと一緒やったのに、さくらのことなんも知らんかった。

さくらの傷痕も、さくらの気持ちも。


さくらがあっちの世界で、屋上から飛びおりて。その場におったんは桃矢とワイとカードたちだけ。

さくらは消えてもうた。
死体もなく、本当に消えた。
それと同時に、ワイと月を抜かしたカードがまるでさくらを追うように消えた。


ワイと桃矢は必死に、さくらを探した。
けど、見えたのは、


「さくらちゃんなら大丈夫ですわ。」
「さくらちゃんは、きっと戻ってくるよ。」
「あいつなら平気だろ。」
「さくらさんは、大丈夫ですよ。」


さくらはどんな気持ちやったんやろうか。

周りからは、さくらなら、さくらちゃんなら、出来る言われて。そんな根拠ないやん。どこにそんな根拠あるん?

ワイもさくらがいなくなるまで、さくらなら出来る思っとた。一人だって、できるって。けど、一人でなんでも出来るわけない。

なぁ、なんで知世も小狼も、月もさくらのこと探さないん?なんで、知世を必死で追っかけてるん?さくらはどうでもいいんか?

なぁ、月。いなくなったんやぞ?ワイらの主が。

なんでなん?
さくらの手首にあるもん知っとるん?


なぁ、謝らせてや…、


さくらのことを強く思った瞬間、パァっと光がワイを包む。

気が付くと、ワイはゴミ山におった。

そこは、ものすごい悪臭でとても人が住めるようなところやあらへん。

せやけど、微かに感じるカードの気配。


それを辿ると、そこにはワイが探し求めとった主が、無表情でまるで人形のように、空を仰いで佇んでいた。


「さくら…?…っ、」


ワイの言葉になにも反応せん。
それどころか、そのまま倒れてしもうた。

それを間一髪で支える。

でも、ワイのこの小さな体じゃ、すぐにワイごとさくらが倒れる。


「っ、!」


また、小さな光がワイを包む。

次に目が覚めると、ワイは人間になっとった。


「絶対、大丈夫だよ。」


声が聞こえてそちらを見ると、さくらと同じ顔をした少女がワイを見て微笑んだ。

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