気付きましょう


私、12歳。

 最近、ノアが誰かに似てきた気がする。でも、それが誰だか思い出せない。そして何故かノアの言葉のイントネーションがどっかの方言っぽい。うわお。日本語じゃないから、よくわからないけど。今の私は英語と日本語とイタリア語とフランス語を喋れるサラブレッドだぜ。いえい。だがしかし、表情筋はなかなか緩まない。


「姉ちゃん!」
『なーにー?』
「最近なあ、ヤギ可愛いと思わへん?」
『ヤ、ギ…?』
「なんかなあ、この前たまたま見たんやけど、こうキューっと、ヤギいいわあ。」


 八木。山羊。ヤギ。めるめるめー!って、これは違う。ウマゴンだ。どこにもヤギ要素ないわ。まるで毛を刈った羊のようなヤギ?口癖があろーで、日本通で、何故か二足歩行で、袋を被ったのに盲信されてて、マフィアのボスなヤギ?的な?

アーーーッ!

 思い出したわ。ノア。あの、ギャップ萌えノアじゃん。なんだっけ?健康そうなやつがコロッと死ぬところを見るのが好きなんだっけ?……私の妹ェ。いや、でもまだ決まったわけじゃないし。大丈夫大丈夫。


「あのな、姉ちゃんだけに言うんやで?他のやつらには秘密やからな?」
『秘密?』
「あんなあ、最近すごい薬作ったん。でな、その薬飲むとな、健康そうな男でも、ころっと逝くんや。これって、姉ちゃんがよく言うギャップ萌えゆーやつやんなあ。うち、ギャップ萌え気に入ったわ!」

ピピー!美羽アウトー!

 私のせい?私のせいなの?てか、ギャップ萌え違い、それ。ギャップ萌えなんて使った私が悪いの?Japanese文化はアウトなの?
 いやいやいや。私は悪くないでしょ。悪くないよ。むしろ、すべての原因は私を殺したイケメンヤンデレ野郎だFA。私を殺したのが悪い。あー、思い出すとイラッ。
 てゆーか、ノアってばまだ6歳。そういうの早いだろ。うん。早い。早熟すぎる。


「姉ちゃんも好きやろ?ギャップ萌え!」
『…違う意味のね。』
「うちと姉ちゃんは同じやもんなあ!ずーっと一緒やで!」


さらば。父上、母上、妹君。
リアこと美羽は旅に出まする。

 何故か?めんどくさいことに関わるとかイヤだ。なにより!マフィア?なにそれ安全性?どこにあるの?どこにもないよね?ないよね?そんなの許せるかばーか!よって、私は旅に出る。探さないでね。とりあえず、ロンドンパリニューヨーク。観光しに行こう。お金は株やってたおかげである。私の頭を良く産んでくれてありがとう、お父さんお母さん。

さらばらーらー

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