転生しましょう


私、7歳。

 何故か記憶持ったまま、生まれ変わった。
喜べるか阿呆。私は前世であんな大変な目にあったのに、また生きろと?労働組合法で訴えるぞ、この野郎。

 なんで私はストーカーに気づかなかったんだよおお…。今思ったら、「愛してるよ」だの「ずーっと永遠に一緒だよ」だの、メール来てたじゃん。なんでチェンメだと思ったのよ、私。それに家のポストにだって、封筒に入ったピーーしたと思われるカピカピのティッシュやら、ピーーして作ったと思われる白い何かが入ったペットボトルとかあったじゃん。ほんと、バカなの?死ぬの?あ、殺されたわ。うわああ、私のばーーか。

 まあ、そんなこんなで外人に生まれ変わった私のなんと美少女なことか。

 ……なめてんの?神様、私のことなめてんの?私が殺されたのはストーカーにだったんだよ?こんな美少女、ストーカー蔓延るに決まってんじゃん。ばーか。あーほ。どーじ。

って、思ってた。

 けど、妹の顔面偏差値とお母さんとお父さんの顔面偏差値見てたら、なんか私大丈夫じゃない?と思った。みんな美人イケメンすぎんだよ。お父さんはイケメンだけど、お母さん命だから許す。むしろ、みんな美人イケメンすぎて、私が普通に見えるわ。普通万歳。
 あ、頭の方はサラブレッドだよ。物理生物学者な父親と機械科学者な母親の子供かなんだかしらないけど、ある程度のことはすぐに理解できる。やだ、私ってば天才。とか、言ってみる。自画自讃ってやつだね。
 てゆか、外国辛い。食べ物の味濃すぎる。日本が恋しい。煮物食べたい。恵方巻き食べたい。肉じゃがとか、寿司とか、ウナギとか、お刺身とか、レトルトカレーとか。季節のイベントもやりたい。節分とか、七草粥とか。外国でよかったのなんて、バレンタインとハロウィンくらいだわ。それ以外はなし。日本行きたー。てか、日本に永住したー。


「ねちゃ!」
『ん?おもちゃ?』
「ねーちゃー!」
『おもちゃじゃないの?ノアがなに言ってんのかさっぱりなんだけど…』
「ねちゃ!ねちゃ!」


 顔面偏差値が高い妹、ノアを抱き上げる。
うーん…ノアのことどっかで聞いたことあるし、見たことあるんだけど…どこでだかが全然思い出せない。

 きゃっきゃっ笑ってるノアを高い高いしながら、うーんと首を捻った。

 この五年後、私は自分のいる世界に気付くことになる。そして、放浪の旅へ出ることを、今の私は知らない。
 てゆか、知りたくもないわ。そんな事実。



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