行ってみましょう
『すいません。ヤギに追われてるんですけど。』
「は?」
受付のお姉さんに直球ストレートで言ったらその反応。傷付くわあ。
現在、私 IN 警察署。いやあ、自宅警備員してる私が一人でここまで来るってすごく偉いよね。ほんと褒めてほしいわ。ちなみに、さらに詳しく言うと何故か私は事情聴取されてる。なんかヤギはマフィアだから詳しく聞くためらしい。なんで狙われてるかとか、ヤギと面識あるのかとかとか。私は声を大にして叫びたい。
ねーよ、面識。
なんで被害届けに来たのに、事情聴取なんだよ。アホなの?馬鹿なの?死ぬの?あ、嘘嘘。私を守るやつが死んだら、私が苦労するじゃんね。つーか、なんで狙われてるかなんて私が聞きたいくらいだわ。
「本当になにもないのか?」
『はい。全然全くこれっぽっちもないです』
「そうか…」
あーしかも、なんで私を事情聴取する相手が鉄人なんだよ。名前とか覚えてないし。えーっと、化け物だったのはよーく覚えてる。確かノアと女装男子に命狙われてた。うえ。関わりたくないわ。
「で、名前は?」
『名前…?』
「名前だ。」
ボーッとしてたら名前聞かれた。それにはて?と首を傾げる。名前?それは日本名?それとも親に付けられた名前?ちなみに私としては、日本名のが気に入ってるんだけど。だって、前世からの仲だし。リアって、お金の単位じゃん。なんか聞くからに守銭奴みたいな気がするのよ。私は守銭奴じゃないよ。ただ、節約家なだけだからあ。
『えーっと、日本名は鳴海美羽で、本名リアです。』
とりあえずどっちも言うことにした。ちなみに日本の戸籍では美羽になってるから別にリアは言わなくてもよかったかもしれない。でも、それでなんか言われたらヤダし。考えに考え抜いた結果だよ。
『あ、リアはお金みたいなんで、美羽でよろしくお願いします。』
「ああ。…もう一度だけ聞くが、ヴァレンティーノと面識はないんだな?」
『はい』
「わかった。これから、君を警察で保護しよう。」
わーい。作戦成功。ああ、こんなに嬉しいのに私の表情筋は動かないなんて。悲しいなあ。とても悲しい。
安全な寝床GETだぜ☆ぴっぴかちゅー
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